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2007年2月21日水曜日

16球式オール・ウェーブ・スーパー・ヘテロダイン受信機の回路図が その3

1938年の発行、「無線と実験」第25巻第1号の附録の「最新高級受信機回路図集」から、16球式オール・ウェーブ・スーパー・ヘテロダイン受信機をピックアップしました。
それは、当時の通信型受信機の代表格、HAMMARLUND MFG CO INCのModel Super PRO、通称「スーパープロ」の回路図です。その裏側は電源部の回路図になっています。


電源部だけで真空管が二本使われ、合計で十六本の真空管となり、とても豪勢な作りと言えます。

真空管としては、
6A7 第1検波
6C6 発振
6D6 第1無線周波増幅
6D6 第2無線周波増幅
6D6 第1中間周波増幅
6D6 第2中間周波増幅
6D6 第3中間周波増幅
6B7 第2検波
6B7 自動音量調節
6C6 ビート発振
76 第1可聴周波増幅
42 ドライバー
42 AB級可聴周波増幅
42 AB級可聴周波増幅
5Z3 整流
1V 整流

特徴として、
各段に於ける増幅度を比較的低くして、安定度を増加している
無線周波増幅用の変成器群は、すべて金属函に纒めて組み込んである
電源部を切り離すことに依り、電池用としても使用出来る
空中線の一次線と二次線の間は、ファラデースクリーンを以て静電的に遮蔽されている

参考事項として、
空中線はダブレット型を使用するように指定してある
   
実を言って「スーパープロ」なんて、私の中高生時代には、それこそ高嶺の花で、ただただラジオ雑誌に掲載された写真でしか見たことがありませんでした。いま思えば、この「スーパープロ」って総称であって何種類もあったのではないかと思います。
 
BC-779
当時、近所でアマチュア無線をやっている方が「BC-779」と言うバカでかい受信機を使って居られ、それも恐らくこの「スーパープロ」のファミリーではないかと今さらに懐かしく思い出しました。




コメント(アーカイブ)

拝啓 はじめてメールいたします.
とても素晴らしいブログを拝読させていただき,感激しています.
スーパープロの回路図(特に電源部)を詳しく読みたいのですが,
コピーをメールで頂戴できないでしょうか?
あつかましい申し出を致しまして,申し訳ありません.
Posted by  レガシー・デイトン at 2009.11.22 11:58:32
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拙いブログをご覧頂きアリガトウございます。
このたびお申し出の件ですが、その後、転居などもあり
収納場所が今は定かではありません。
今週末を目途に探し出して、ここに大きめサイズの物を
掲示したいと思います。
少し間を置いて、ここをアクセスして頂くようお願い致します。
Posted by  BlueMac at 2009.11.22 12:41:57
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拝復 BlueMac 様
ご回答いただき,ありがとうございます.
敬具
Posted by  レガシー・デイトン at 2009.11.22 16:51:37
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画像をクリックすると約二倍になります。
現物は、経年変化により用紙自体が変色し
加えてインクの墨色も退色し、読みにくくなっていました。
それで、Adobe Photoshopでレタッチしてあります。
Posted by  BlueMac at 2009.11.27 22:42:47
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2007年2月20日火曜日

16球式オール・ウェーブ・スーパー・ヘテロダイン受信機の回路図が その2

神田神保町の古書店で偶然見つけた1938年(昭和13年)の発行「無線と実験」第25巻第1号の附録「最新高級受信機回路図集」から、取りあえずヒトツだけですが、ご紹介しておきます。

それは(真空管を16本使用した)16球式オール・ウェーブ・スーパー・ヘテロダイン受信機で、高周波2段中間周波3段のとてつもない回路構成。戦後の復興期に普及したのが5球式スーパー・ヘテロダイン受信機でしたから、それだけでもビッグなラジオだと容易に想像が付きます。

Model Super PRO

今から半世紀も前になりますが、当時アマチュア無線を志していた方なら一度は手にしてみたいと思っていた、通信型受信機の代表格、HAMMARLUND MFG CO INCのModel Super PRO、通称「スーパープロ」の回路図です。

この当時の日本では、鉱石ラジオも現役で、真空管ラジオは並三か並四、高一の時代で、スーパーへテロダイン式の受信機などは富裕層の一部でしか所有できなかった時代だったと思います。




コメント(アーカイブ)

BlueMac 様
詳しい回路図をUPいただき,大変ありがとうございました.
ご紹介の回路図は1936年(昭和11年)に発売された「SP-10」ですね(下記URLご参照).
http://www.radioblvd.com/hammarlund_super_pro.htm
スーパープロの第一号の機種(当時ドル価格,400ドル)のようです.
日本の物価上昇指数は,当時から比較して,858倍なので,現在価格では2900万円に相当するようです.つまり,2LDKマンション購入程度ですね.日本の当時も家族4人の一戸建て,くらいだったのではと思います.
この設計理念の成功がハマーランド社の「コンデンサ製造」からの脱皮推進力になって,SP-100,SP-200,SP-400(BC-779?),そしてSP-600-JXに繋がっていったのでしょうネ.
ありがとうございました.
Posted by  レガシー・デイトン at 2009.11.28 13:28:06
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この回路図集は1938年の発行ですが、当時の最新型の受信機がピックアップされているようですね。
1936年発売のスーパープロの SP-10 でしたか、型式までは読み取れていませんでした。
アリガトウございます。
HAMMARLUND MFG CO INC の他に、
STEWART WARNER CORP
RCA MFG CO
GAMBEL SKOGMO INC
EMERSON RADIO & PHONO CO
PHILCO RADIO & TELEV CORP
ATWATER KENT MFG CO
TRANSFORMER CORP OF AMER
MITA MUSEN-DENWA LABORATORY (現存のDELICAブランドの三田無線研究所)が掲載されてます。
MITA MUSENは電池式6球スーパーで、
34-32-34-32-33のラインナップでOSCが30です。
当時の日本製としては立派ですが、アメリカ製とは、未だかなり差があった様です。
Posted by  BlueMac at 2009.11.28 14:44:00
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2007年2月18日日曜日

16球式オール・ウェーブ・スーパー・ヘテロダイン受信機の回路図が その1

月に一度か二度の割で神田神保町の古書店街を行ったり来たりして、自分の趣味に合った古書を探しています。

そんなある日のこと、神保町から少し九段の方へ寄った古書店街の途切れるところにある店は入ってみました。そこの蔵書は、およそ電気とは無縁の本ばかりで、この私が店内を歩くにも何か違和感を自分自身が感じていました。

受信機回路図集

早々に出ようとした矢先、足下に平積みされた古書のタイトルに目が釘付けになりました。何と、その文献の表紙には、

ラヂオ 最新高級受信機回路図集
附・標準的測定器3種
東京 誠文堂新光社

目が点になるとは、この様なことを言うのでしょうか?すかさず、手に取ってみました。

それは「無線と実験」第25巻第1号の附録でした。1938年の発行とありますので、私の出生よりずーっと前、七十数年も前のことになります。

紐綴じの紙製ケースにB5版の回路図が十六枚収められていました。
厚手の用紙で経年変化も見られましたが、損傷も少なく程度は良いと思われました。多くは(当時の)アメリカの最新型の受信機の回路図の様に見て取れますが、日本製として唯一、三田無線(Delica)のモノも混じっていました。その中から、16球式オール・ウェーブ・スーパー・ヘテロダイン受信機の回路図を以下に付けますが、


戦前のアメリカの受信機の内容が垣間見えてただただ凄いと感じ入りました。今後、何回かに分けて回路図など皆さんにもご覧頂きたいと思っています。

2007年2月7日水曜日

短波放送の聴けるソニーの「ICF-SW7600GR」は重量級? その3

ズッシリと重かったSONYのFM Stereo/SW/MW/LWのレシーバー「ICF-SW7600GR」の箱の中身をお見せしておきます。


左上は黒色のキャリングケース、その右にある黒い小丸はイヤホンパッドとステレオイヤホーン、それにACプラグアダプタとアンテナコネクタ。右上は巻き尺の様に線が巻き取れる(短波用)コンパクトアンテナです。

左端中央にあるのが赤色の単三乾電池四本、その右には種々のお知らせや注意事項、保証書など、その右にあるのが、「How to Catch the Wave」と「Wave Handook」の小冊子、一番右が五カ国語による取扱説明書です。取扱説明書の上にACパワーアダプタがあります。

単三乾電池を四本挿入し、取りあえず受信してみると、鉄筋コンクリートの住宅でも在京のFM局とMW(中波)局は信号強度も十分で全てクリアーに受信出来ます。

遠距離受信として、夜間のMW(中波)では窓際1メートル以内まで近づけば全国の民放局は何とか受信出来るような手応えを感じました。
SW(短波)においては、信号強度の強い局が幾つか聴こえる程度で、ほとんどノイズに埋もれ聴こえません。やはり、専用のアンテナを外に設置する必要がありそうです。見栄え良く外部アンテナを設置するには、取りあえずはソニー純正のモノを試してみるのも良いかと思っています。

2007年2月6日火曜日

短波放送の聴けるソニーの「ICF-SW7600GR」は重量級? その2

持って帰るにあたり、現有のICF-7600の大きさ重さを知っている私に、このSONYのBCL用レシーバ「ICF-SW7600GR」はズッシリと重く、それだけ中身が濃いと勝手に想像しました。しかし、それが、とんでもない間違いだったんです。

手前がワールド仕様のACパワーアダプタ
(100V-120V/220V-240V)に適合、持て余し物?
帰宅後、直ぐに箱を開いて本体を取り出すと、その下に、ソニーの短波ラジオには昔から必ず付いてくる全128ページの小冊子「Wave Handbook」、それに重なるように、同じサイズの取扱説明書(日本語/英語/朝鮮語/中国語/アラビア語)が収められていました。

これだけでもかなりの重量なのに、その脇に収められていた「ACパワーアダプタ」は予想以上に大きく重く、しかも、ノートパソコンのモノよりも大きめサイズにビックリ。

これが「ズッシリ」の張本人。
たかだか、6V/300mAにしては、大き過ぎ? 100V〜120V / 220V〜240Vの切替スィッチもあるワールド仕様であることも一因なんでしょうか?

使用する乾電池は単三が四本、しかも、消費電力が大きく、電池寿命は意外と短いので、この専用「ACパワーアダプタ」は必需品。海外出張にこんな大きめの「ACパワーアダプタ」を持参するなんて酷な話だと思いますが・・・それにしても本体は並みの重量でマアマアかと暫し安堵しました。

2007年2月5日月曜日

短波放送の聴けるソニーの「ICF-SW7600GR」は重量級? その1

三十年来、手元に置いて重宝していたソニーのFM/AM/SWラジオ「ICF-7600」も、FM/AMは何とか生きていましたが、バンド切替スイッチが遂に接触不良となり短波放送が聴けなくなりました。

個装パッケージ
それで、秋葉原で代わりのモノを探すことで出かけました。
どこの店で買うか、決めずに行きましたが、今どき短波放送を聴くためのラジオを品揃えをしているメーカは殆どありません。敢えて言えば「ラジオNIKKEI」と、今は変わってしまった、かっての「ラジオ短波」を聴くタイプばかり目に付きました。

昔々のBCLブーム時代の品揃えにはほど遠いながら、短波放送が聴けるモノはソニーに数機種あるだけと、今さらながら再認識しました。

数年前までよく見かけたソニーのICF-SW55やICF-SW77は既に無く、いま現在、BCL専用レシーバーの要件をギリギリ満たしているのがFM Stereo/SW/MW/LWラジオ「ICF-SW7600GR」でした。

ICF-SW7600GR
ある程度は予想していただけに落胆はしなかったものの、今後は、この様なラジオは出てこないのではとの印象を強くしました。

アキバの大型家電店を数軒回って価格を調べて、結局はヨドバシAkiba館で買うことになりました。それにしても、メーカの希望小売価格が42,000円(税込)とは・・・たかがラジオとも言えない価格に少々躊躇いもありました。

持って帰るにあたり、現有のICF-7600の大きさ重さを知っている私には、いやに重く思えて、それだけ中身が濃いと勝手に想像しました。しかし、後で知ったことですが、それが、とんでもない間違いだったんです。