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2006年6月25日日曜日

神田神保町で「ラジオ技術」の第二巻六号を偶然見付けた

神田神保町の古書店街へ行った折り、いつも通り幾つかの店を巡る途中で、ある店の棚の隙間に「ラジオ技術」があるのを見付けました。

ラジオ技術 昭和23年10月号
何と昭和23年10月発行で、現在のモノはB5版ですがA5版と一回り小さなサイズです。
表紙は辛うじて色を留めていますが、中は黄ばみと用紙そのものが変質して丁寧に扱わないと千切れてしまう恐れもありそうな状態です。

時期的には戦後の復興が本格的に進み始めた頃で、映画以外には娯楽も少なく、家庭での唯一の楽しみはラジオの聴取だったと伝え聞いています。

それで、記事の内容も真空管ラジオの製作が中心になっています。

私がラジオの製作に興味を持つ様になったのは、それから十年くらい後のことですが、ラジオ少年として、毎週土曜日には決まって秋葉原のジャンク屋通いで部品を買い集め、ラジオ雑誌にある鉱石ラジオから並三ラジオ、並四ラジオ、高一ラジオなど、同じ様なことにトライしていた様に記憶しています。

その後、コイルなども自分で巻いてラジオを作っている過程で、偶然にもVoice of AmericaやRadio Moscow、Radio Pekingなどが聴こえてビックリ、それが短波放送であることに気付き遠距離受信に興味を持つ様になりました。

遠くの放送を聴くことが、後にアマチュア無線の免許を取得して、海外と交信して見たいと思う切っ掛けになったのだと、今さらに当時を思い出します。

アキバ通いも半世紀。アマチュア無線の国家試験を受験してからでも四十数年、第一級アマチュア無線技士の資格はステイタス?だったが、最近の国家試験はチョー易しくなって、第一級も容易にパス出来るらしく時代の変化を実感しています。

本の目次だけでも以下に紹介しておきます。

特集 増幅器の研究と製作
口絵 レコードコンサートと模写電送用FM送受信機
今月の技術 周波数変調方式
紹介 National NC-173をみる
基礎 マイクとピックアップの解説
   A、AB、B級増幅器の解説
   プッシュプル結合回路の実際
   音質補償、負帰還、音質伸張回路
   ミキシングの方法とその回路
   各種増幅器設計の実際
   増幅器の代表的回路図の7種
   ラジオのABC、アンテナの話
図表 電流型フィードバック回路
設計 ラジオ受信機設計法(11)
新技術紹介 Super-R FM受信機
製作 4.5W 6V6小型電蓄兼拡声器
   Wireless Record Player
Radio 4.5W 6V6シングル、2バンド
    6W 2A3 P.P AB1 増幅器
    20W 6L6 P.P 電蓄の作り方
ニューズ 技術の泉 NHKへのQ

それから、久しぶりに駿河台下界隈を歩いてきました。

2006年6月13日火曜日

CQ出版社が1955年に発行の日本アマチュア無線局局名録

CQ出版社発行「局名録」
第一号の表紙
日本のアマチュア無線局を収録した局名録(通称コールブック)の起源は、伝え聞くところによると、昭和5年、あるボランティアの制作による青写真の物が全国のアマチュア無線家に配布されたのが最初とされ、その後十年ほど毎年改訂作業が続けられたようです。

また、「無線と実験」誌の昭和14年5月号〜7月号の三回にわたって局名録が掲載され、内地は勿論、満州、朝鮮、台湾まで含んでいたのを私自身も最近ですが現物を確認しています。

戦後は昭和28年になって、オーム社により「ラジオと音響」誌の附録として出版されました。

そして、翌年の昭和29年、CQ出版社により「CQ Ham Radio」誌の一部として4月と11月に発行されました。
その後、ここにある「日本アマチュア無線局局名録」として「CQ Ham Radio」誌から分離独立しました。

私が所有する「日本アマチュア無線局局名録」は、昭和30年10月1日 CQ Ham Radio臨時増刊として発行されたもので、B5版160ページ、単体の局名録としてCQ出版社版の第一号になるようです。

JA1AAからJA1AZのページ(斜めになっているのは版下制作時のミス?複数のページにみられる)

トリオ(現ケンウッド)の9R-42、SM-1、
TX-1、T-50、T-23X などの広告






















掲載されたアマチュア無線局は、もちろん「JA」プリフックスだけですが、

JA1AA - JA1AXZ 東京都、神奈川県、埼玉県、群馬県、栃木県、茨城県、千葉県、山梨県
JA2AA - JA2RZ 愛知県、三重県、静岡県、岐阜県
JA3AA - JA3UU 大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県、和歌山県
JA4AA - JA4II 広島県、鳥取県、島根県、岡山県、山口県
JA5AA - JA5FO 愛媛県、徳島県、香川県、高知県
JA6AA - JA6NW 熊本県、福岡県、長崎県、佐賀県、大分県、宮崎県、鹿児島県
JA7AA - JA7GZ 宮城県、福島県、山形県、岩手県、青森県、秋田県
JA8AA - JA8EY 北海道一円
JA9AA - JA9EV 石川県、福井県、富山県
JA0AA - JA0FU 長野県、新潟県

記載の内容は、
局名、氏名・生年月日、使用周波数・電波形式・終段、住所、職業勤務先、その他の欄には所属クラブ、受信機、空中線、趣味などが記入されていて今のものより情報量が多く読むだけでも楽しい。

広告ページにある企業は、
■レックス・トランスの巴電気■ハム用無線機の春日無線工業■JEC電解コンデンサの日本電器化学■ナショナルHiFi用真空管の松下電器産業■DELICAキットの三田無線研究所■特殊バリコンの片岡電気■Elctrohm・Electroohm solidの多摩電機工業■三和・CRYSTALの三和通信工業■ミツミ・ソケットの三美電機■(Super Teletrol)無線操縦用の三鴻通信工業■無線通信士・技術士養成の日本ラジオ技術学校■完全調整済BC-342、BC-312の千代田特殊無線■分割払いの東邦電気商会■各種電気計器製作修理専門の吉野電機■測定器ORC-27、PV-107、MC-120Aの菊水電波■オリオン・クリスタルレシーバーのセーフ電器■山水・トランスの山水電気■無線誌専門販売の増田書店、大陸洋行■USA通信機大量放出の三協テレビ無線、大阪電波商会■短波受信用スターコイル・IFTの富士製作所■大松・水晶振動子の大松工業
裏表紙、昭和30年10月1日発行とある

その後もCQ出版社が月刊誌「CQ Han Radio」の附録として毎号毎号、新規に開局した局のデータを追補版として付けていました。

しかし、発行元が日本アマチュア無線連盟(JARL)に移ってからは「JARL会員局名録」と改められ、今までは全てのアマチュア無線局が網羅されていましたが、タイトル通り会員のみの掲載になりました。

JARLからすれば会員のみの掲載でOKでしょうが、現実には会員でない方の方が多く、利用する側からすれば不便この上ないことです。
この「会員局局名録」には多くのアマチュア無線家から大ブーイングですが、一向に改められる気配もなく現在も隔年で改版が進んでいます。

2006年6月10日土曜日

月刊誌CQ Ham Radioのバックナンバーが山積み

東京も遂に梅雨入りの週末になり、夕方の雨の止み間に神田神保町へ行って来ました。
ショーウインドの外側に並べられた理工学書
靖国通りの神保町から駿河台下の交差点の間に神田の古書店街があります。

東京メトロの神保町駅で下車し、この靖国通りの古書店街の幾つかの店を巡り、駿河台下から小川町、淡路町を通り昌平橋を渡りアキバエリアへ入って行くのがいつもの私の散歩コースです。

今日は神保町の交差点にほど近い理工学書専門の古書店の外側に、アマチュア無線の専門誌である月刊誌CQ Ham Radioのバックナンバーが山積みされているのが目に入りました。
月刊誌CQ Ham Radioのバックナンバーが
山積みされていた
暫ししゃがみ込んで一冊一冊懐かしくページを繰ってみました。

おおよそ三十冊ほどのCQ Ham Radioがあり1970年代から1980年代のものが大半を占めていました。
この当時は、アマチュア無線の最盛期でもあったので、現在のものより本の厚さが倍もあり手に取るとズッシリくる感触でした。

当時の定価は200円台から新しいものでは400円台。
しかし、古書価格は全て300円となっていました。
裏表紙には当時のトップメーカの製品広告が大きく目に付き、懐かしく見入りました。

裏表紙にケンウッドのHFトランシーバー
TS-530とTS-140Vの広告
この古書店街では従来よりCQ Ham Radioを扱っている店はほとんど無く、これほど大量のバックナンバーが置かれていたのを見るのは初めてでした。

2006年6月7日水曜日

「オシロスコープの回路技術」をお譲り頂きました

私は「オシロスコープ」あるいは「シンクロスコープ」とタイトルされた書籍を収集しています。

オシロスコープは、現在の(株)東芝の前身だった東京電気が昭和8年(1933年)に国産初のオシログラフと銘打って製品化したと記録にあり、それ以前は米国や欧州からの輸入品に頼っていたようです。

それ故、オシロスコープに関する和書も、私の調べでは昭和十年代になって出版された様に推測しています。
自分でもオシロスコープに関わる著作を持って以来、この七十年間にわたって出版されたオシロスコープとタイトルする書籍にはどの様なものがあったのか?収集することにしました。

本のジャンルとしては、とてもマイナーですから、新刊本でも都市部のそれも大型書店でないと常備されていないこともあり購入もままなりませんでした。しかも、十年遡っても出版されたオシロスコープの本は両の手で数えられる程で、あとは中古書店を何年も巡り歩き、数少ないオシロスコープの本を探し続けました。

その一方で、どの様な本がどの出版社から出版されたかも調べデータベースを構築しました。その結果、私が収集したオシロスコープの関連書籍は全出版数の九割ほどを集めた様に思われます。あと数冊はオークションなどで出てくる可能性もありますが、それ以外は希少本の部類に入り入手はかなり困難であると今は思っています。

私のホームページでも「オシロスコープについて解説している書籍は?」とタイトルしたページでこれまでに収集した本を表組みして発表しています。

ご覧頂けば分かりますが、私が入手した最古の本は昭和12年(1937年)に発行された「陰極線オシログラフ」です。

また、入手出来ていない本については、やはりホームページで「オシロスコープの本を探しています」とご提供をお願いしています。

オシロスコープの回路技術
つい最近ですが、このページをご覧になった千葉県在住の方から譲ってもよいとメールを頂き、早速お願いし私のライブラリーに久々ですが加えることが出来ました。
お譲り頂いたのは、ラジオ技術社発行の「オシロスコープの回路技術」で、昭和48年に初版が出て翌年再版した後に絶版になったらしく出回った冊数も少なく入手出来ないでいました。

これは、月刊誌ラジオ技術に昭和45年1月号から昭和47年3月号まで連載された記事を一纏めにしたラジオ技術縮刷版です。この当時、私はアマチュア無線に入れ込んでいて、CQ出版社の月刊誌CQ ham radioの愛読者で、オーディオ中心のラジオ技術にはあまり関心が無かった時代で、この連載にはまったく気付いていませんでした。

内容的には、今は消滅してしまった松下通信工業のオシロスコープに関する資料をベースに記述されていて、内容的にはなかなかのものの様に読みとれます。いま思うに、ラジオ技術の読者には少々レベルが高すぎたようにも私としては感じられました。


内容的には以下、(A5版111ページ)

1. オシロスコープの基本事項
2. トリガ同期方式
3. シンクロスコープの操作と回路
4. ホールドオフ回路の動作
5.  掃引期間の原理と実際
6. ミラー掃引の原理と実用回路
7. トリガ掃引とトリガリング・モード
8. MODEの操作とトンネル・ダイオードの役目
9. ゲート信号の利用
10. パルス増幅とシンクロスコープ
11. 垂直軸における仕様と規格
12. 垂直回路とその動作
13. 垂直プリアンプの種類と回路
14. 陰極線ブラウン管とその動作
15. 蛍光体の種類と使いかた
16. オシロスコープのハードとソフト(1)
17. オシロスコープのハードとソフト(2)
18. 遅延掃引回路の動作
19. 遅延掃引の実用回路
20. テレビジョン波形の分析
スペクトラム・アナライザ入門
21. TV用オシロスコープとライン・セレクタの動作
22. ライン・セレクタにおける「ファンタストロン」の動作
23. 単掃引とその動作
24. 単掃引の回路とその動作
25. オシロスコープの新しい応用(1)
25. オシロスコープの新しい応用(2)
27. 最後のまとめ
附録 130mmシンクロスコープの全回路図、オシロスコープ用語集



「オシロスコープの回路技術」と一緒に横河ヒューレットパッカード社直筆の「スペクトラム・アナライザ入門」もお譲り頂きました。通称スペアナですが、類書が少なく入門書としては貴重な存在でラッキーとしか言いようがありません。別の機会にコンテンツにしてみたいと思います。

2006年6月6日火曜日

またまたトランシーバー(TH-F7)を落下させ損傷

何処へ出かけるにも常に携帯しているアマチュア無線用のFMトランシーバーを不覚にも落としてしまいました。

腰のベルトに専用のベルトフックで挟んでいて、普通ならそこから外れることは無いはずなのに、何度か腰を屈めたことでずり上がり、足下へ落下しました。

当たり所が悪く、送信受信の周波数を変えるロータリーエンコーダのツマミの角がまともにコンクリートの地面へ激突してしまいました。その結果、当然ながらツマミの角が大きく損傷しシャフトも曲がってしまい、ツマミを回すとぎこちない回転で、しかも二重シャフトになっていて音量ツマミも一緒に回ってしまう悲惨な症状でした。
Kenwood UHF Transciever TH-F7
15cmほどの純正アンテナを付けていれば、アンテナの弾力で軽く跳ねられて軽微な損傷で済んだと思われますが、この時はサードパーティー製の5cmほどの短縮アンテナを付けていたのでダメージが大きかったようです。

早速、製造メーカーであるケンウッドへ修理に送りました。
それから一週間ほど過ぎた今日、修理完了の電話連絡がありました。落下は自己責任の範囲であるが、これを購入して未だ半年も経っていないので、今回に限り保証内の扱いにしてくれるとのこと、ラッキー(o^_^o)v

実を言うと、私は半年前にも五年程使い続けていた同じモデルをやはり落下させ、この時は水没しケンウッドから修理不能と宣告され意気消沈していました。それで直ぐに買い換えたのですが、またまた落下とは・・・(^_^;)

しかし、このモデルはアマチュア無線の交信に使う以外に、広帯域の受信機としても使えるのです。
AM放送やFM放送、TVの音声も聴くことができます。また、短波放送やエアーバンド、タクシー無線などもその気になれば聴くことが出来てしまう優れもの。

最初に買ったものは修理不能ですが、何と受信機能だけは100%生きていて、今でもラジオ代わりに使っています。小型でそれほど邪魔になることもなく重宝しています。

明日か明後日には修理完了品が戻ってくるはず。週末には430メガの電波が出せると楽しみにしていますが、今後、三台目を買うことにならない様に〜(-_-)