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2012年11月25日日曜日

アキバは、エレキとポップカルチャーが混沌とする街?

この夜景は、秋葉原中央通りと本郷通りとの交差点だ。
秋葉原では、いちばん混雑する場所だが、見る人によっては、秋葉原だとは信じ難い光景で、かってのエレキタウン(電気街)の片鱗さえ窺う事が出来ないほどの変わり様だ。

年々歳々、この秋葉原を訪れた者のアキバに対する思い入れは、時代と共に変化してきた。


エレクトロニクスの進化と多様性が、この街の栄枯盛衰に直結してきた歴史がある。
それが、ラジオであり、アマチュア無線であり、テレビや家電製品であり、オーディオ、マイコン、PC、ゲームソフト、ビデオコンテンツなどなど枚挙に遑がない。


それ故、この秋葉原の印象を、各々に問えば、
古くは、真空管のラジオの街であり、カラーテレビの街、洗濯機・冷蔵庫の街、パソコンの街と、それぞれが自分の人生に重ね合わせ、思い馳せることになる。
しかし、今や、マンガ・アニメ・フィギュアなど、いわゆる、ポップカルチャーの情報発信地と言われる時代にとって変わった。

不況下、店舗の統廃合や廃業・撤退などで空いた物件に、次々とメイド喫茶が進出する一方で、メイドやアニメのフィギュアに身も心も成りきった?女子が行き交い、また、そんな異次元空間?を共有したいと、いわゆるアキバ系?と呼ばれる若者達が徘徊する街になったとも言える。

また、世界の秋葉原?、電化製品目当ての外国人旅行者が免税店に立ち寄る街にもなった。
多数のツアー客が大型観光バスで乗り付け、免税価格で大量に買い付ける光景も見られる。その多くが東南アジアからの来日だが、特に目立つのが中国本土からのリッチマンの御一行だ。
「歓迎降臨」のPOPだらけの大型家電店では、免税フロアーの拡充と数カ国語に精通した通訳兼セールスを配置するまでになり、その変容にタダタダ驚くばかり。

戦後の復興を支える、電材や電気部品の卸しの街から、家電の街、パソコンの街、ITの街、アニメやゲームマニアの街、そして、今やポップカルチャーと言われる混沌とした街へとアキバは変容している。

一方、街作りでは、新線つくばエキスプレスの開通やJR秋葉原駅の大規模改修を機に、秋葉原デパートのリボーンをコアにした、秋葉原エリアの再開発も大きく進んだ。UDXビル、ダイビル、タイムズタワーなどの高層オフィスビルやヨドバシAKIBA店の様な超大型商業ビルの出現と、それに伴って?老舗の大型家電店の統廃合も一気に加速した。

四年前のあの事件以来、中止になっていた歩行者天国も昨年再開され、安心で安全な街と言う意味を込めたホコ天の復活の意義を大きい。

地元電気街振興会のコトバを借りれば、地域の自主ルールとして、「みんなで協力、安全・安心、元気なアキバ」をスローガンとする秋葉原協定を制定し、この電気街を取り巻く地域全体が一丸となって秋葉原という街の向上・活性化に積極的な姿勢で取り組んでいる・・・云々とあるが・・・

当事者ゆえに、もちろん電気街の振興しかないのだろうが、
第三者の立場からすれば、アキバは今後どの様に変容するかが、いま最大の関心事だ。しかし、カオスの如く、我にも余人にも雲を摑む様な捉え所の無い話しで、アキバの近未来など予測し難い。

2012年9月8日土曜日

三省堂で「アマチュア無線機コレクション」を買った、

久しぶりに神田神保町界隈を散歩してきた。東西に延びる靖国通り、南側の古書店街の佇まいに大きな変化は無いが、北側の商店街は行くたびに変わっていて驚くばかり。

駿河台下の交差点の角に建つ三省堂神保町本店に立ち寄った。学生時代からの行き付けだが、外観はそれほど変わってはいない。しかし、中に入ると、歩道に面した一角にUCCカフェ・コムフォートが出店していた。余談だが、裏手のスズラン通りに面した老舗の東京堂書店にもカフェスペースが新設され、書店経営も変わりつつあるのを感じた。

さて、三省堂だが、雑誌・新刊・文学・旅行ガイド・地図などが並べられ、混雑している一階は素通りして、五階の理工書・コンピュータ書・医学書売り場へ直行。このフロアをグルリと一周するうちに「アマチュア無線機コレクション」とタイトルした大判の本を見付けた。

以下、アマチュア無線に興味のない人には申し訳ないが、この手の書籍には興味があり直ぐに手が出てしまった。

少々、私のうんちくめいた講釈だが、アマチュア無線技士の免許証を持つ者は、全国で 334万名ほど。そのうち、アマチュア無線局の免許状を所有する者は 44万名ほど、しかし、実際に無線機を用意して交信している者は、そのうちの多くて 7万名ほどと推定される。
殆どが、いわゆるペーパーライセンスだ。

無線従事者の免許証を得た者が、改めて、自分の操作範囲内でのアマチュア無線局の免許状を取得しないと電波は出せない訳で、プロの無線局と手続き的には全く同じだ。

従来、資格を取得するには、国家試験のみだったが、規制緩和のお陰か?養成課程と称する二日間の講習(無線工学と電波法)を受講し、形式的な?試験をパスすると、国家試験に合格したと同等の扱いを受ける事が出来るようになった。

しかし、最近は免許を取得するのが簡単になった分、直ぐに飽きて止めてしまう。
最盛期は 1990年台半ば、それまではバブル期と重なり右肩上がりの増加だったが、それ以降は減少の一途で歯止め策も無い。アマチュア無線が「キング・オブ・ホビー」何て自画自賛した時代があったことすら、傍の人にも信じて貰えない。

この本「アマチュア無線機コレクション」は、そんな全盛期に至る前の成長期に登場したアマチュア無線機器の正に写真集だ。俗に、写真集と言えば、可愛い女の子が主役だが、この本では、何とも無骨な無線機のオンパレード。

アマチュア無線の第1次ブームが起きた1970年代。
当時は、輸入の無線機や国内の米軍基地からの放出品なども出回っていたが、本書では、国産メーカーのアマチュア無線機(据置型、携帯型、車載型)だけが掲載されている。

A4版のフルカラー印刷で見栄えが良い。
ページを繰ると、当時ご三家?と言われた、八重洲無線やトリオ(ケンウッド)、井上電機(アイコム)をはじめ、今は懐かしく思い出すだけのメーカーの製品も掲載されている。
恐らく、これらを目の当たりにしたり、実際に手元に置いた人は、いま、還暦を過ぎた頃と思われるが、往時の諸々を思い出させるには格好の書かもしれない。



掲載内容は、以下、

★巻頭特集 1970年代を象徴する「FT-101シリーズ」のすべて

★無線機コレクション・八重洲無線編
・FT-901DM ・FT-102 ・FT-301S/FT-301D ・FT-107S ・FTDX100 ・FT-401S ・FT-75 ・FT-7/FT-7B ・FT-620 ・FT-620B ・FT-625D ・FT-2F

★無線機コレクション・トリオ(ケンウッド)編
・TS-520X ・TS-820S/R-820 ・TS-120S・TS-830S ・TS-930S ・TS-511DN ・T-599S/R-599S+TX-599/JR-599 ・TS-900S ・QS-5000(ケンクラフト) ・TR-1100 ・TR-1200 ・TR-5200 ・TS-600 ・TR-2200 ・TR-7300 ・TR-7200

★無線機コレクション・井上電機製作所(アイコム)編
・IC-71/21/31/61/201/501/210 ・FDAM-3/AM-3D ・IC-502A/202/212/302 ・IC-20/IC-200 ・IC-2N/IC-3N

★無線機コレクション・その他のメーカー編
松下電器産業
・RJX-601 ・RJX-661

NEC(新日本電気)
・CQ-P6300

日新電子工業
・SKYELITE6

ミズホ通信
・FB-6J

日本電業
・KAPPA-15 (Liner15)

★資料編
憧れだった、手放してしまった当時の無線機を探し出そう!
【保存版】1970年代に登場したアマチュア無線機データ集
古い無線機のメンテナンス情報 役立つサイトがこんなにある

2012年7月23日月曜日

未知の世界を覗いてみたい誘惑に、

外出先で立ち寄った書店で「ラジオライフ DX3」を買った。
パラパラとページを繰った時に、アマチュア無線用のトランシーバー、JVCケンウッドの TS-990S と八重洲無線の FTDX3000 のカラーブラビアに興味があっただけのこと。中身は毎年繰り返しのような記事が多くて、新鮮みがあるとは思えない。季刊誌だが、こんな企画で長続きするのか?些か疑問だが、取りあえず三号まで出た。
ラジオライフ DX

暫く前、テレビで、"B-CASカード" のスクランブル解除の手口が分かってしまったと報じていた。要するに、有料テレビ放送がタダ視できる訳だ。
どの様にして、スクランブル解除の仕組みを解明したのか?興味もあり、同じ出版社から発行された本も買った。もちろん、自分で真似する気持ちも無いし、技量も無くできる筈も無い。

この "B-CASカード" だが、赤色のモノはテレビやHDDレコーダーを買った時に付いてくるので知っていたが、業務用も含めると六種類六色もあること知り勉強になった。

こうした裏知識と言うか、違法か?違法でないか?ギリギリのところを記事にすることで、この出版社が存在できるらしい? 確かに、誰しも、ちょっとだけでも裏の世界を覗いてみたい誘惑に駆られ、解説本が売れているのかもしれない。

先週だったかの報道で、DVD-Videoを不正コピーできるプログラム入りのCD-ROMを雑誌の付録にして販売したとして、この出版社の役員ら四人が、不正競争防止法違反の疑いで逮捕された。「違法と認識しつつ、会社の利益のために販売を続けた」などと説明しているという。正に確信犯的な行為だ。
その雑誌は四千冊くらい売れたらしく、発売以降、映像の著作権保護団体から違法性を指摘されていたが、販売を続けていたようだ。

この出版社は三十余年前に出版事業を始めて以来、当局から、いつイエローカードを出されても不思議ないようなグレーゾーンの記事をシバシバ企画し今日に至っている。
正に強かと言うか、怖いモノ見たさの?熱狂的なファン(読者)?にも支えられ、これからもグレーであり続けるかも知れない。

2012年7月20日金曜日

孤高のレシーバ SONYの "ICF-SW7600GR"

"ICF-SW7600GR" と言えば、知る人ぞ知る、ソニーの "FMステレオ/LW/MW/SW PLLシンセサイザーレシーバー" だ。同期検波と言うユニークな機能を搭載し、世界が認める正に孤高のラジオ、いやレシーバーと言える。

大昔は "全波受信機" と呼ばれたが、いま風に言えば、長波(LW)から中波(MW)、短波(SW)、それに加え、FMステレオも聴けるワイドバンドなレシーバーである。

ソニー FMステレオ/LW/MW/SW PLLシンセサイザーレシーバー ICF-SW7600GR

今から三十数年前、中波や短波による遠距離受信、いわゆる、国内各地からの中波放送や海外からの国際放送を聴く、BCL(Broadcasting Listening)ブームが起こった。

当時、家電大手の各社が、このBCL用のラジオを競作し、ドンドン性能もアップ、それ以前では想像も出来なかったほど高性能のラジオが次々と発売された。

今から思えば、この一大ブームも長くは続かず、数年後には収束してしまった。
それから今日まで、何度かマスコミなどで取り上げられ、中年オトコの道楽?として、仕掛けられたが、往時のメーカーも素知らぬ顔?で、結局は何も起こらなかった。正直なところ、リバイバルの兆候は定かではないが、根強いファンは居るようだ。

いま市販で、長波、中波、短波放送を聴ける "BCLラジオ" と呼べるモノは、ソニーの "ICF-SW7600GR" だけと言っても過言ではない。それも、BCLブーム時代のラインナップと比べれば、中程度のランクで、欲を言えば、もう一つ上のクラスが欲しいところだ。

しかし、これにも事情がある。
十年ほど前、この "ICF-SW7600GR" には、上位モデルも下位モデルもあり、全体としてバランスの取れたラインナップだった。
その後、次々と生産中止となり、品揃えの構成が崩れ始め、遂には、この "ICF-SW7600GR" と幾つかの下位モデルだけが生き残った、何とも悲しい現実がここにある。

それなりの年齢になり、往時は買えなかったモデルでも、今なら買えそうだが、モノが無いのでは致し方ない。無い物ネダリは無意味だが、今は座右に、この "ICF-SW7600GR" がある。
夜になると、日本全国の県庁所在地にあるAM放送や韓国、台湾、中国、極東ロシアなどアジア近隣からの短波放送も難なく聴くことができる。

昔はアナログ・ダイヤルだったから、周波数が合っているのか?常に心配しつつ、右に左にダイアルを繰ったが、今はダイアルもデジタル選局になり、その周波数で聴こえなければ、電波の伝播状態が悪いと判断して別の局を探すので、諦めと言うか決断も早い。

AN-12
地元のFM放送やAM放送が良好に受信できるのは当然だが、鉄筋構造の集合住宅では、短波放送は全くダメ、FMもAMも雑音に邪魔されたりで満足な音にならないことも多い。
ソニーの尻馬に乗る積もりはサラサラ無いが、純正オプションのLW/MW/SWワイドレンジアンテナ "AN-12" は絶対に必要。これ無くして、感度が悪いなどとケチを付けるのは筋違いだ。携帯もそうだと思うが、電波は部屋の奥までは届き難いから外部アンテナは必須なのだ。

さて、この "ICF-SW7600GR" だが、
全世界で八十万台を売ったとされるソニーのICF-7600シリーズの現行モデルである。
初代のアナログ機 ICF-7600(1978年発売)から始り、ICF-7600A(1982) → ICF-7601(1988)、デジタル機は ICF-7600D(1983) → ICF-7600DA(1987) → ICF-SW7600(1990) → ICF-SW7600G(1994) → ICF-SW7600GR(2001)と、時代とともにドンドン進化してきた。

初代からの "7600" のサフィクスを受け継いでいて、ソニーの拘りが感じられるが、現行モデルも発売より十年余も過ぎていて、ソロソロ代替わりを期待するユーザーも少なからず居るように思う。

当のソニーがどう考えているか?分からないが、他社から調達しているキーパーツが、数年前から次々と生産終了になり、ソニーも腹を括る時期が近いようにも思える。他力本願だが、多くの "7600" ファンとともに朗報を期待したいところだ。


関連記事
ソニーのLW/MW/SWワイドレンジアンテナ"AN-12"を買った

ICF-SW7600GR 取扱説明書

2012年7月18日水曜日

"ふかヒレ" みたいなルックスのFM/AMラジオチューナー

Mac/PCにUSB接続して、FMやAM放送を聴くことのできる Griffin Technology のFM/AMラジオチューナー "radio Shark" だが、つい最近、たまたま立ち寄ったリユースショップのハードオフで見付けて迷いもなく買った。

それは、アメリカ仕様で本体がホワイトカラー、五年前に新発売された日本向けはブラックだった。AMの受信周波数はどちらも同じ、FMの受信周波数が異なっている以外は共通仕様だ。

既に過去形で語られるが、この "radio Shark" の登場に触発されたかのように、その後、Mac/PCとUSB接続して聴くFM/AMチューナーがたくさん登場した。

しかし、その後、急激に衰退して行った。
NHKの "らじるらじる" や民放の "radiko"など、ネットでラジオがライブで聴けてしまう時代になってしまったからである。

確かに、時代の移り変わりに合わせて、ラジオを聴くスタイルが変わったと言える。ネットに接続出来れば、雑音や混信などで邪魔されることが無く、いとも簡単にラジオが聴ける。

既に、日本仕様のモノを使っていたので、ドライバーもインストール済み、これをUSBで接続すると直ぐにラジオが聴けた。
しかし、今さら、これでラジオ放送を聴く積もりは無いが、商品名の "radio Shark" の如く、形状が正に "ふかヒレ" みたいなルックスは、遊び心を喚起するに十分だし、インテリアにでもしておこうかと考えている。