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2014年5月24日土曜日

TS-990S、9R-59のダイヤルイメージを再現している

未だ JA プリフィックスしか存在し無かった半世紀前、既にベストセラーになっていたトリオ(現 KENWOOD)の通信型受信機に 9R-59 がある。
前モデルの 9R-42J からフルモデルチェンジし、外観も大きく変わった。
通信型受信機 9R-59
以前は、半円形のメインダイヤルとサブダイヤルが背中合わせに配置されて、それはそれでデザイン的にはバランスが取れて、見た目にも格好良かった。

ただし、当時の主要パーツの組み合わせでは、周波数の目盛の確かさも、それなりだった。しかし、当時のハム人口は今に比べて少なく、混信なども殆ど無くて、バンドエッジだけ気にしていれば、あとは、かなりアバウトだった。

昭和34年(1959年)から電話級/電信級アマチュア無線技士が誕生し、それまで、第一級と第二級アマチュア無線技士だけだったお空も活気付いた。それに呼応するかのように、9R-59 が新登場した。

フロントパネルの多くを占める周波数目盛板が特徴だった。
メインとスプレッドダイヤルの二つから構成されていて、曲がりなりにも周波数直読となっていた。
メインでバンドエッジに合わせ、スプレッドダイヤルで、そのバンド内の周波数を微調節できる仕組みとなっていた。また、Sメータは従来は丸型だったが、細長い縦型で指針が上下するタイプになり、デザイン的にも格好良さを演出していた。

このダイヤルのイメージをケンウッドの TS-990S が再現している。

左がメイン ディスプレイ、右がサブ ディスプレイ
メイン ディスプレイに、9R-59 のダイヤルイメージを表示することが可能になっている。

もちろん、縮小表示だが、オリジナルの雰囲気が再現されていて、Sメータまである。

選局はサブ ディスプレイでするが、メイン ディスプレイでもバンドのどの辺に居るのか、指針がダイヤルの動きに合わせて移動する仕組みだ。

主に BCL(SWL)に適していて、その他の機能はアマチュア無線バンドと変わり無く機能するので、帯域を広げたり狭めたりなどもできる。圧巻なのは、バンドスコープで 10kHz(5kHz)毎にピークが現れ、各国の短波放送局が居並んでいることが一目瞭然、BCLの醍醐味を実感出来て感激モノだ。
9R-59 のダイヤルイメージだけだが、50年も前の記憶を思い起こしてくれる TS-990S には脱帽だ。

TS-990S、TS-520風の円盤ダイヤルが復活?した

機能満載のケンウッドの TS-990S だが、このクラスでは当然ながら 2-VFOだ。
それ故、メイン ディスプレイでもサブ ディスプレイでも、周波数は2波同時にデジタル表示される。
アナログ機からデジタル機は移行するにあたって、外観として、真っ先に変わるのが周波数表示の仕方だ。
TS-990Sのサブダイヤル
アナログ機の場合は、メインダイヤルの鍔に沿った周波通目盛とフロントパネルの小窓の内側で回る円盤ダイヤルとで目的の周波数に合わせていた。

バックラッシュの極力少ないメカニカルな機構が必須であったが、周波数精度の向上や安定度・信頼性の面では限界があった。

それが、昨今のトランシーバーでは、デジタルは当たり前。すべからく、周波数はデジタル表示である。

TS-990S の場合も、それらに準じたデジタル表示だが、何と何と、切り換えて、往時の円盤表示のダイヤルに似せることが出来る。

一目盛が 1kHzで、デジタル表示のように、100Hzや 10Hz単位では読み取れないが、大雑把に 20kHzとか 30kHzくらい周波数を変えるのであれば、目盛を頼りに一気に回せば済む訳だ。しかも、メインダイヤルと同軸になっているかの如く、滑らかに手に付いて回る感触が堪らなく良い。

デジタル表示だと、常に暗算しながら、数字の変わる様を目で追う必要があり面倒だ。世の中、あっちもこっちもデジタルが氾濫しているが、アナログはアナログ成りのメリットがある。
そんな事もあってか? TS-990S のアナログダイヤルは使い勝手が良さそうだ。センター周波数付近がハイライト状態で、その両側をアンダーにしてメリハリを付けているあたりは、小憎い細工だ。

昔々、世話になったトリオの時代の TS-520S も未だ手元にあるが、流石に出番は無い。しかし、こんなピカピカの最新モデルに、往時の技が生かされているなんて、リバイバルの最たるものだ。

2014年5月15日木曜日

通勤ラジオ、修理代がどれ程なのか心配になって、

ソニーのコンパクトなAM/FMラジオだが、スピーカーでは聴けるのに、イヤホンから音が出なくなった。三年くらい前に秋葉原の家電量販店で買ったモノだが、当時で約九千円だった。
FM/AM PLLシンセサイザーラジオ
ICF-R351
使わない時は、イヤホンのコードが本体内へ巻き取られる構造で、手間いらずでスマートである。

コードが内部のリールに巻き取られる構造で、収める時は少し引きながら離すと小気味よく巻き取られる。使う時は、本体から引き抜く様に引っ張り出すが、少々テンションを感じつつ所定の長さまで出せる。

同型のモデルでも、通勤ラジオと称しているモノは、どれも同じ様な構造である。イヤホンコードが細身のため、この出し入れで、相当の疲労を与えるのか?やがては断線し易いのだろう。

まず、ソニーサービスへ電話して、修理代がどれ程になるのか?聞いたが、その電話では応えられないので、現品を見てからにして欲しいと言われてしまった。

それで、秋葉原にあるソニーのサービスステーションへ持参した。
現状での故障内容を伝えると、手に取って確認していたが、3,240円掛かると言われた。修理代金は、修理交換する部品代とは別に、基本料や技術料と言った固定費の部分があり、製品購入時の価格が一万円に満たないと、結構割高感がある。
今回は、三分の一程度であることと最初の修理であり、お願いしたが二度目は無いだろう。

このラジオ、画像では分かり難いが、AM/FM2バンドだがモノラル受信である。
売りは、単4形アルカリ乾電池1本で約100時間も使えるらしい。実際に時間を計ったことは無いが、いつ電池を交換しのたか?忘れてしまうほどで、正に省エネタイプだ。
液晶ディスプレイは、必要な時に点灯できるバックライトボタンがあり、暗い場所でも、表示が見やすく出来ている。カタログでは、大型の内蔵AMバーアンテナを採用していて受信感度が向上しているとあるが実感は無い。しかし、通勤ラジオとしては十分かも知れない。