駿河台下の交差点の角に建つ三省堂神保町本店に立ち寄った。学生時代からの行き付けだが、外観はそれほど変わってはいない。しかし、中に入ると、歩道に面した一角にUCCカフェ・コムフォートが出店していた。余談だが、裏手のスズラン通りに面した老舗の東京堂書店にもカフェスペースが新設され、書店経営も変わりつつあるのを感じた。
以下、アマチュア無線に興味のない人には申し訳ないが、この手の書籍には興味があり直ぐに手が出てしまった。
少々、私のうんちくめいた講釈だが、アマチュア無線技士の免許証を持つ者は、全国で 334万名ほど。そのうち、アマチュア無線局の免許状を所有する者は 44万名ほど、しかし、実際に無線機を用意して交信している者は、そのうちの多くて 7万名ほどと推定される。
殆どが、いわゆるペーパーライセンスだ。
無線従事者の免許証を得た者が、改めて、自分の操作範囲内でのアマチュア無線局の免許状を取得しないと電波は出せない訳で、プロの無線局と手続き的には全く同じだ。
従来、資格を取得するには、国家試験のみだったが、規制緩和のお陰か?養成課程と称する二日間の講習(無線工学と電波法)を受講し、形式的な?試験をパスすると、国家試験に合格したと同等の扱いを受ける事が出来るようになった。
しかし、最近は免許を取得するのが簡単になった分、直ぐに飽きて止めてしまう。
最盛期は 1990年台半ば、それまではバブル期と重なり右肩上がりの増加だったが、それ以降は減少の一途で歯止め策も無い。アマチュア無線が「キング・オブ・ホビー」何て自画自賛した時代があったことすら、傍の人にも信じて貰えない。
この本「アマチュア無線機コレクション」は、そんな全盛期に至る前の成長期に登場したアマチュア無線機器の正に写真集だ。俗に、写真集と言えば、可愛い女の子が主役だが、この本では、何とも無骨な無線機のオンパレード。
アマチュア無線の第1次ブームが起きた1970年代。
当時は、輸入の無線機や国内の米軍基地からの放出品なども出回っていたが、本書では、国産メーカーのアマチュア無線機(据置型、携帯型、車載型)だけが掲載されている。
A4版のフルカラー印刷で見栄えが良い。
ページを繰ると、当時ご三家?と言われた、八重洲無線やトリオ(ケンウッド)、井上電機(アイコム)をはじめ、今は懐かしく思い出すだけのメーカーの製品も掲載されている。
恐らく、これらを目の当たりにしたり、実際に手元に置いた人は、いま、還暦を過ぎた頃と思われるが、往時の諸々を思い出させるには格好の書かもしれない。
掲載内容は、以下、
★巻頭特集 1970年代を象徴する「FT-101シリーズ」のすべて
★無線機コレクション・八重洲無線編
・FT-901DM ・FT-102 ・FT-301S/FT-301D ・FT-107S ・FTDX100 ・FT-401S ・FT-75 ・FT-7/FT-7B ・FT-620 ・FT-620B ・FT-625D ・FT-2F
★無線機コレクション・トリオ(ケンウッド)編
・TS-520X ・TS-820S/R-820 ・TS-120S・TS-830S ・TS-930S ・TS-511DN ・T-599S/R-599S+TX-599/JR-599 ・TS-900S ・QS-5000(ケンクラフト) ・TR-1100 ・TR-1200 ・TR-5200 ・TS-600 ・TR-2200 ・TR-7300 ・TR-7200
★無線機コレクション・井上電機製作所(アイコム)編
・IC-71/21/31/61/201/501/210 ・FDAM-3/AM-3D ・IC-502A/202/212/302 ・IC-20/IC-200 ・IC-2N/IC-3N
★無線機コレクション・その他のメーカー編
松下電器産業
・RJX-601 ・RJX-661
NEC(新日本電気)
・CQ-P6300
日新電子工業
・SKYELITE6
ミズホ通信
・FB-6J
日本電業
・KAPPA-15 (Liner15)
★資料編
憧れだった、手放してしまった当時の無線機を探し出そう!
【保存版】1970年代に登場したアマチュア無線機データ集
古い無線機のメンテナンス情報 役立つサイトがこんなにある