前モデルの 9R-42J からフルモデルチェンジし、外観も大きく変わった。
通信型受信機 9R-59 |
ただし、当時の主要パーツの組み合わせでは、周波数の目盛の確かさも、それなりだった。しかし、当時のハム人口は今に比べて少なく、混信なども殆ど無くて、バンドエッジだけ気にしていれば、あとは、かなりアバウトだった。
昭和34年(1959年)から電話級/電信級アマチュア無線技士が誕生し、それまで、第一級と第二級アマチュア無線技士だけだったお空も活気付いた。それに呼応するかのように、9R-59 が新登場した。
フロントパネルの多くを占める周波数目盛板が特徴だった。
メインとスプレッドダイヤルの二つから構成されていて、曲がりなりにも周波数直読となっていた。
メインでバンドエッジに合わせ、スプレッドダイヤルで、そのバンド内の周波数を微調節できる仕組みとなっていた。また、Sメータは従来は丸型だったが、細長い縦型で指針が上下するタイプになり、デザイン的にも格好良さを演出していた。
このダイヤルのイメージをケンウッドの TS-990S が再現している。
左がメイン ディスプレイ、右がサブ ディスプレイ |
もちろん、縮小表示だが、オリジナルの雰囲気が再現されていて、Sメータまである。
選局はサブ ディスプレイでするが、メイン ディスプレイでもバンドのどの辺に居るのか、指針がダイヤルの動きに合わせて移動する仕組みだ。
主に BCL(SWL)に適していて、その他の機能はアマチュア無線バンドと変わり無く機能するので、帯域を広げたり狭めたりなどもできる。圧巻なのは、バンドスコープで 10kHz(5kHz)毎にピークが現れ、各国の短波放送局が居並んでいることが一目瞭然、BCLの醍醐味を実感出来て感激モノだ。
9R-59 のダイヤルイメージだけだが、50年も前の記憶を思い起こしてくれる TS-990S には脱帽だ。