ケンウッドのフラッグシップ モデルとなった HF/50MHzトランシーバー TS-990S。
横 46cm 高さ18cm 奥行きは 40cm以上で、約 25kgと、並外れのビッグサイズにビックリしていた。同じケンウッドのアマチュア無線用のトランシーバー TS-590Sや TS-2000SXをベースに考えると如何に大きいかがわかる。
先日、ふと思い出したトリオ(現ケンウッド)のアマチュア無線用通信型受信機に JR-60がある。半世紀も前に出たモデルで、同好の士でも、今日では型番すら知らない者が多いだろう?
上が JR_60、下が TS-990S |
AM時代の最後を飾るに相応しい、当時としては、フルスペックを搭載したと言えそうな受信機だ。当然ながら、真空管式であり、それだけでも現在のモデルに比べれば、遙かにビッグサイズになる。
捨てられずに、ファイルしてあった当時のカタログを見ると、横 43cm 高さ19.5cm 奥行きは 25.5cmもあり、現在のモノと比較すると、何とも大きいのにビックリするばかりだ。
三つ折りカタログの表側 |
三つ折りカタログの内側 |
たまたま、ネットでフロントパネルの画像があり、拝借し最新型の TS-990Sと比率を計算して、両者を重ね合わせてみたのが上の画像だ。
しかし、JR-60は受信機であり、通信するには相方になる送信機が必要で、これと同等か一回り小さいモノが使われた。それ故、設置スペースも馬鹿にならなかったが、当時の常識では、これでフツ〜だった。半世紀も経つと、これほどの進化があることを目の当たりにしたことになる。
因みに、JR-60は,1960年代前半にトリオ(現ケンウッド)が発売した通信型のオールバンド・オールモード受信機である。この時期に超人気があり、一世を風靡した通信型受信機 9R-59の上位モデルだ。
設計のベースは、当然ながら 9R-59にあり、当時、既に発売されていた 50MHz帶受信用のクリスタルコンバータ CC-6が、ソックリ内蔵されていた。
基本的な回路構成は高周波1段、中間周波2段のシングル・スーパーで,放送周波数帯から短波帯30MHzまでをカバーしていた。
9R-59では、BFOと兼用のQマルチプライヤーがあったが、JR-60では、それぞれが独立し同時に使える様になり便利になった。結果として、受信モードは CW、AM、SSBの他に FMにも対応した。
正に SSBの黎明期に、AM時代のニーズを集大成したとも言えそうな通信型受信機だった。
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