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2008年5月10日土曜日

NECの「Bit-INN東京」があった秋葉原の「ラジオ会館」の変わり様は

1970年代から90年頃まで、いわゆるバブル期に成熟商品になったFMチューナーやアンプ、カセットデッキ、CDプレーヤーなど、かっての中古システムコンポをチューンナップして販売している店が秋葉原にあります。
数年前に施行された電気用品安全法(PSE法)に抵触すると、中古AV機器などの販売が問題視され、一時的に経営危機に陥った、ここのお店がマスコミに紹介されもしました。その後、紆余曲折を経て、結果的には、ビンテージ商品の再販に道筋が付き今も営業を続けています。

ラジオ会館は日本のパソコン発祥の地

久しぶりにその店を秋葉原駅前のラジオ会館に訪れたところ、四階から五階に移転していました。しかし、残念な事に火曜と金曜日が定休日でガッカリ。
余談ですが、アキバの電気街は昔々から木曜日が定休日でしたが、時が移り今は、昔からの営業形態を踏襲する一部の電子電機パーツ店だけになり、多くは年中無休になりました。

アキバ系ご御用達の店へ変貌?
それにしても、久々、このラジオ会館(通称ラジカン)に行ってビックリしたのはテナントの様変わりでした。
昔から営業していて店名をよく覚えていたのは、プロユースのマイク、コネクタ、PA機器のトモカ、中古オーディオの清進商会、真空管オーディオ、アクセサリのキムラ無線くらい。日本電気の「BIT-INN東京」は既に撤退、日本電気の大手代理店FIRST POINTも移転していました。

入れ替わってテナントになったのは、俗にアキバ系と呼ばれる方々が、ご御用達とするカラフルで派手派手しいお店です。
この現状を見れば「ラジオ会館」とは名ばかりの存在になっていると思わざるにはいられません。

昔を思い起こせば、「ラジオ会館」は日本のパソコン発祥の地です。日本電気(NEC)のコミュニケーションサロンとしての "BIT-INN東京" は (日本のマイコンブームの火付け役となった "TK-80" が登場した) 1976年に開設され、その後、NEC初代のパソコン PC-8001が発売された頃から店舗が拡張され七階の半分くらいのスペースを占有していました。

TK-80→TK-80BS→PC-8001という "マイコン" から "パソコン" に移り変わる時期に "BIT-INN東京" は貴重な情報の発信基地であり、アキバでのNECファンにとっての聖地ともいえる特別な場所で、私も足繁く通いました。

その後、日本電気に続いて、日立製作所、東芝、三菱電機、富士通などが、相次いでパソコンの販売拠点、ショールームを開設し、日本に於けるパソコン普及の原点になりました。

それから四半世紀にわたりパソコンの啓蒙活動を展開してきた 日本電気は、その使命を果たした?として、この地を離れました。それに呼応してか?多くのパソコンメーカーや電器商が撤退し、変わって、アニメやコミックブック店、模型店などが相次いでオープンし客層が変化しています。

もはや、ここは、パソコンオタクや元ラジオ少年が足を踏み入れづらい場所になり、歴史も由緒もある「ラジオ会館」は "庇を貸して母屋を取られる" の例えの如く、名ばかりのビルになる日もそう遠くないと思われます。

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