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2016年7月28日木曜日

トリオのアマチュア無線機の出荷形態だが、

トリオのアマチュア無線機は、電話級・電信級アマチュア無線技士が誕生した1959年(昭和34年)頃を境に出荷が急増した。
当時は、キット・ビジネスが盛んになった時代でもあり、アマチュア無線機も例外なく、完成品とキット製品の両方が出荷された。

B があり完成品だ
トリオの場合、元箱は一貫して同じモノが使われた。
それ故、製品を段ボールケースへ収めてしまうと、完成品だかキット製品だか分からなくなってしまう。

社内は勿論のこと、販売店に至る迄、その区別を容易にする必要に迫られた。そこで出荷時に、一時期、段ボールケースの側面に、完成品には "B"、キット製品には "C"をゴム印で押印することになったと聞く。

それは、当時のカタログからも読み取れる。
引用すれば、以下の様だが、

9R-59 A セミキット(主要部品は全て取付済み。球無し、配線無し、CRや小物パーツ無し)
9R-59 B 完成品
9R-59 C 球無し、オールキット
9R-59 T 球付き、オールキット
9R-59 Y 球無し、配線済みキット

蛇足だが、「球無し」とは、全ての真空管を別途各自が買い揃えることの意味だ。
しかし、A, B, C以外は、実在したのか?記憶に無い。

スキルのあるラジオ少年の多かった時代だから、パーツも手持ちの物や秋葉原で買い揃える "A" が最初の頃は多かったようだ。勿論、主流は完成品の "B" だ。

アマチュア無線人口が増え始めると、"A" に代わり、オールキットの "C" が飛躍的に伸びた。全てのパーツが同梱され、大判の実体配線図も添付され、敷居が低くなったからだろう。

当時は、中古真空管のビジネスも盛んで、当然、新品より安く買えるので、球無しキットが持て囃された。極め付けは、球無し、配線済みキットで、動作しないから、ラジオとは認定されず、物品税が安かったのかも知れない?

今にして思えば、時代に即したビジネスモデルだったに違いない。

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