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2006年12月29日金曜日

今年最後のジャールニュースが届きましたが・・・

日本アマチュア無線連盟の会報とも位置づけられる「JARL NEWS VOL.992 2007年冬号」が郵送されてきました。年四回発行、昔は月刊誌だったのに、財政逼迫の連盟としては苦肉の策でしょうか?

 JARL NEWS VOL.992 2007年冬号

会員の減少に歯止めが掛からず、唯一の収入源の会費の減少で思うような会員サービスも出来ないまま、今や名ばかりの社団法人になり果てている?ように思います。

インターネットやEメール、ケータイなど気軽に利用出来る通信手段も普及し、会員数も最盛時の半分以下にまで落ち込み、民間企業なら既に倒産寸前とも言えるような状態でしょう。
出る経費は極力抑える手段のヒトツとして、この「JARL NEWS」も季刊誌になって、ニュースとしての速報性もなく、単に発行することに意義のあるような?モノになるつつある・・・ちょっと言い過ぎでしょうか?

ネット社会が当たり前になったご時世に、何時までも紙のメディアに固執せず一気にホームページでの閲覧に移行すれば・・・っと誰でも考えますが? また、CD-ROMでの配布でも良いかも・・・しかし、アマチュア無線をやっていて、オレはパソコン持ってないなんて人が今どき居ますかね?居ないとも言い切れませんが・・・

倒産寸前の会社なら社長以下取締役は総取り替えで業績回復に取り組むのが当たり前ですが、この連盟の会長を始め理事さん達は久しく同じ顔ぶれみたいで、何をやっている事やら? 体質強化の結果も見えず、危機感を持ち合わせているか?すら私には分かりません。まぁ〜会報に限らず大英断は必要に思います。

せっかく、届いた「JARL NEWS VOL.992 2007年冬号」ですから、どんな内容なのか目次だけでも紹介しておきます。

特集 (カラー)
QSLカード転送業務誌上紹介
電波物知り百科
アマチュア無線と時の科学

祝!南極観測50周年
南極のQSLカードコレクション

新年ごあいさつ/トピックス
第49回JARL通常総会「晴れの国・おかやま総会」のご案内
2006全日本ARDF競技大会レポート
ハムフェア2007の概要
アワード
コンテストカレンダー&ルール
第49回ALL JAコンテスト規約
インフォメーション
JARDインフォメーション
地方便り
クラブニューズ/QSP
南極観測50周年記念式典開催される
公益法人制度改革について
QSLカードの転送 その仕組みと、ご利用に当たってのお願い
会員データの変更に連絡カードをお使いください
第36回6M AND DOWNコンテスト入賞局発表
第49回フィールドデーコンテスト入賞局発表
お知らせ

2006年12月28日木曜日

たかだかイヤホンのことで、こんなケチが付くとは・・・

アマチュア無線に使っている430メガFMハンディトランシーバー、ケンウッドのTH-F7の具合が悪くなってしまいました。本来ならイヤホンプラグを差し込むとスピーカからの音がシャットアウトされイヤホンから聴こえなければならないのに、スピーカの音はオフになってもイヤホンから聴こえてこないわけ・・・何度イヤホンのプラグを抜き差ししてもダメ。

この本体は今年の一月から使い続けていて、つい最近までノートラブルだった。
実を言ってこのトランシーバーは二台目、最初のモノは五年ほど使い重宝していましたが、昨年の暮れに不覚にも水没してしまい、修理に出したケンウッドから修理不能と宣告され、同じモノを手配した経緯があります。しかし、一台目でも同じイヤホンを使っていて、つまり五年間もノートラブルでした。

430メガFMトランシーバー TH-F7

それで、やむなくケンウッドに修理に出しました。
数日して、「依頼された不具合については再現しない・・・」っとケンウッドから電話があり、イヤホンの相性かもしれないので、念のためイヤホンジャックを交換しておくとも伝えて来ました。

そう言われてみれば否定も出来ずその通りにお願いしました。
実は私のイヤホンですが、ソニーの小型ラジオ用のモノを使用していました。これって2.5mm径の2Pなんですが、今回の件で改めて取扱説明書を読み返してみると、何と2.5mm径の3Pプラグを使用することになっていました。つまり「受信出力」の他に、パケット通信をする時の「スケルチ出力」が接続されているようです。

因みにソニー製は300円くらいで、純正品は1500円くらいしています。
理由が分かればソニー製を使うことも出来ず純正品を手配する羽目になりました。たかだかイヤホンのことで、こんなケチが付くとは・・・知ったかぶりも善し悪しです。
反省しきり・・・ケンウッドさん、ゴメンナサイ。

CQ出版社から電子工作推進マガジン「エレキジャック」が創刊

出版社から電子工作推進マガジン「エレキジャック」が創刊されるそうです。創刊号は来年1月25日に発売の予定で、往年の「初歩のラジオ」や「ラジオの製作」のような電子工作入門雑誌になるようです。

電子工作推進マガジン「エレキジャック」

そのタイトル「エレキジャック」は「電子工作仲間」という意味の造語だそうです。また、ジャックにはプラグの差し込み口という意味もあり「電子工作への入り口」という意味も込め、これから電子工作を始めてみようという人達のための雑誌と言う位置づけのようです。

創刊号の特集として、マイコンを使ったロボットや電子楽器の製作、小型カメラを応用した画像の無線転送やインターネット配信などを掲載する予定とか・・・他にも電子工作の基礎的な知識や身近な家電製品の修理テクニックについても含めていくようです。

しかし、考えてみるに、真空管からトランジスタへ移行する時期に「初ラ」とか「ラ製」で育ったラジオ少年、いわゆる団塊の世代向けではないかと思われますが、果たして、夢をもう一度となりますか?

■タイトル 電子工作推進マガジン「エレキジャック」
■発行形態 季刊誌 (1、4、7、10月) 月末発売
■判型 B5判
■予価 1470円
■ページ数 160ページ

2006年12月18日月曜日

CQ ham radio12月号が珍しくも各地で売り切れ?実は・・・

CQ ham radio 12月号
「CQ ham radio」というアマチュア無線の月刊誌ですが、12月号の付録が話題を呼び、各地で売り切れ?のウワサがWebで飛び交っています。

私も毎号購読している訳でなく、時たま立ち読みして気に入ると買って帰るため、この号は見過ごしていました。そんなウワサに慌てて近所の書店に行ってみましたが既に次号の1月号が出る時期で売り切れでした。それではっと、次々と近所の書店をハシゴしつつ、五軒目の書店でやっと一冊に巡り会い、迷いもなく直ぐに手にしました。しかし、気が付いてみると自宅から随分遠くまで来ていました。

ウワサの元は、表紙にもなっている第1付録の「ソフトウェア・ラジオ実験基板」です。6cm角のプリント基板が付録として付き、その解説記事が掲載されています。
実験基板(6cm角のプリント基板)
なお、第2付録は「図解やさしいアンテナ入門」で、別冊になっていて、イラスト付きの解説がなかなか良いと思います。
今回、特に注目され人気が集まった?のが、この「ソフトウェア・ラジオ実験基板」です。

最近の電子工作で作るラジオと言えば、周波数同調にポリバリコンを用いラジオ用ICを使ったシンプルなラジオでした。しかし、このソフトウェア・ラジオでは、復調やフィルタをパソコンで処理するため、周波数同調や受信帯域、復調方式の変更、フィルタの切替、感度の調節をソフトウェアで処理しています。

受信した高周波をパソコンのサウンドカードで取り込めるように周波数を変換し、復調はパソコン上のソフトウエアで行うため、インターネット・ラジオとは異なり、アンテナから電波を取り込んで聴く正真正銘のラジオであることに間違いありません。

使用するパソコンにはWindows XPか2000が必須、Mac OSは今のところ非対応だそうで、マックユーザはまたお預けのようです。取りあえず、今晩はこの記事をジックリと読んでみたいと思います。なお、通常月は870円ですが、この号に限って980円でした。

2006年12月15日金曜日

テクトロニクスは自己中心主義なのか?

今回買ったテクトロニクスの「デジタルオシロ」は、想像していたより軽く小さな段ボールケースに入っていました。カタログによると本体はたった2kg、並のノートパソコンより遙かに軽いです。

外観はとてもシンプルなパッケージデザインで「Tektronix」のロゴだけが目を引きます。それと「Made in China」の表示に、こういったモノも中国に生産委託出来る時代なんだとツクヅク考えさせられました。

カッターで封を切りソーッと上蓋を引き起こしてみました。
何ともシンプルな内装で、デジタルオシロ本体とプローブや電源コード、マニュアル、コーションなどのアクセサリが二分されて納められているのが見えました。

取りあえず、本体の両側に手を入れて一気に引き出しました。想像していた以上に軽くて、これまでのオシロスコープではブラウン管が如何にスペースを占めていたのかが分かります。

それにしても、ブラウン管を必要としなくなって、従来450mmはあったと思われる奥行きが150mm以下にまでなり、しかも、パネル面でもブラウン管に関わる輝度や焦点それにスケールイルミなどのツマミも無くなり、その分だけパネルの高さも低めになりました。ですから、従来のオシロスコープを知っている人から見れば、「これがオシロスコープなの?」っと異口同音の感想でしょう。
 Tektronix TDS1001B
同梱品をリストアップしてみると、

■TDS1000B/TDS2000Bシリーズ ユーザマニュアル (和文、191ページ)
■TDS1000B/TDS2000B Read this First Supplement (英文和文を含む11言語の小冊子)
■TDS1000B/TDS2000B Read This First (英文和文を含む11言語の小冊子)
■P2220 200MHz 1x/10X Passive Probe (英文小冊子)
■Certificate Traceable Calibration (英文)
■専用プローブ 2本
■電源コード 1本
■CD-ROM
■日本語パネル

同梱品のチェックを終えて、「参ったなぁ〜」と思ったのは、電源コードのプラグが3P仕様で、我が家の壁コンセントが旧来の2P仕様の為に差し込めない・・・昔々、使っていたマッキントッシュも同じ3P仕様で閉口した苦い思い出があります。

それにしても米国のメーカって、日本向け自動車の左ハンドルといい、こんなこと平気でやってきて、何時まで経っても「ジコチュウ」なんでしょか?

2Pと3Pを変換するアダプタが未だ何処かにあるはずですが、探すのも面倒なので取りあえず、最近のデスクトップのマックに付いている電源コードを転用しようかと思っています。しかし、最初の電源ONは、新品購入のマックの時より緊張するかも???

2006年12月10日日曜日

念願だった「デジタルオシロ」をようやく買いました

テクトロニクスの「デジタルオシロ」を買うことに決め、後は発注するだけの段階になって、「アジレントは如何か?」っと別のメーカのモデルのお奨めがあり、しばし躊躇いもありましたが、やはり当初から決めていたテクトロニクスにしました。

テクトロニクスでは「デジタル・ストレージ・オシロスコープ」とネーミングしていますが、読みが長いので、日本では「DSO」または「デジタルオシロ」と略して呼ばれることが多いようです。

このテクトロニクスの「デジタルオシロ」もピンからキリまであり、素人の個人に手が出せるのは予算的にもTDS1000Bシリーズだけ、今回は「TDS1001B」を買いました。モノクロタイプの液晶ディスプレイのモノで価格は109,200円(税込)です。

TDS1001B

当日は別に用事があり出遅れ気味でしたが、地下鉄銀座線神田駅から地上に出ると既に日は落ちていました。それで、閉店時刻を気にしつつ小走りに万世橋を渡り秋葉原の電気街へ向かいました。

閉店間際でしたが、顔見知りの店員の方が待っていて、挨拶もソコソコに、お願いしておいた商品が奥から運ばれて来ました。早速、支払いを済ませるうちに、紐掛けされ何とも呆気ない買い物でした。

因みに、今回買った「TDS1001B」の主定格は、

■チャンネル数が2チャンネル
■周波数帯域が40MHz
■サンプルレートが500MS/s
■ディスプレーがモノクロ
このシリーズの共通仕様として、、
■USBデバイス・ポートにより、パソコンやPictBridge互換のプリンタ接続が可能
■USBホスト・ポートにより、スクリーンショットや波形データをUSBメモリに保存可能

なども、私にとっては魅力的な機能です。
その他、「ライフタイム・ワランティ」が付加されていて、製品は10年以上保証され、ライフタイム中は交換部品代と修理手数料は無料となっています。

手に持った感じでは従来のオシロスコープの半分以下の重量で、ラクラク自宅へ持ち帰りました。まだ未開封ですが、段ボールケースの隅に「Made in China」とあり、このジャンルのモノでも「海外生産か」っと、改めて考えさせられました。

2006年11月23日木曜日

十六年間使い続けたトランシーバーを修理に出してみましたが

十六年間使い続けたケンウッド製のアマチュア無線用430メガ・オールモード・トランシーバーTR-851Dを修理に出した顛末が尻切れになっていました。

夏前から何となく具合が悪いと感じていたスケルチが、閉じっぱなしなり強い信号しか復調しなくなりました。開きぱなしなら未だ使いようもあったのですが、これでは全くのお手上げ状態です。それに、発表から二十年、購入からでも十六年も経た今日、果たして修理を受け付けてくれるか思案していました。
ケンウッド
430メガ オールモード トランシーバー
TR-851D
それでも、同時期に音の出なくなった三十年前のソニー製のラジオICF-7600は、ソニー本社内にあるサービスセンターへ持ち込んだところ、何とか修理して頂け機能が復活して驚くやら嬉しいやら・・・この事例に倣い思い切ってケンウッドのサービスセンターへ現物を送り込みました。

待つこと一週間ほど、ケンウッドから連絡があり約一万五千円ほど掛かるが修理可能と言われ、即お願いすることで返答しました。

それからまた一週間ほどして修理完了品として送り返されて来ました。
VOL/SQLとRIT/RF GAINのダブルシャフトボリュームが別に緩衝材で包まれていて、それが交換されたことが分かりました。製造中止になってからでも十五年は経ていると思われ、よくもまぁーサービスパーツとしてストックがあったと感心すると共にビックリしています。

早速、電源をONしてみましたが、いつもの聞き慣れた音が出てきてヤレヤレと安堵しました。
大きな放熱板がリアパネルに付いていて、FMのフルパワー送信でもほんのり熱さを感じる程度、ファンレスのため風切り音もなく静かで快適です。しかも、Sメータが正真正銘のメータ指針で、Sの変動も目でユックリと追えて使い勝手が非常に良いです。

現在はオールバンド・オールモードの時代で、取りあえず一台買えばソコソコの事が出来てしまう安直さはありますが、使い勝手では必ずしもユーザーフレンドリーとは言い難いモノがあります。
そんな意味で、このシングルバンドのオールモード機TR-851Dは、そのバンドに特化してトコトンその性能が発揮出来る下地があり、ユーザの期待を裏切らないマシンとしてマダマダ実戦に使えると思っています。

2006年11月18日土曜日

アマチュア無線家のバイブル「The radio amateur's handbook」1964年版

私のお宝のヒトツ、米国アマチュア無線連盟(ARRL)が1964年に発行したアマチュア無線家のバイブルとでも言うべき「The radio amateur's handbook」です。サブタイトルは、THE STANDARD MANUAL OF AMATEUR RADIO COMMUNICATIONとあります。

以前にご紹介した1934年版に比べれば、分厚く二倍ほどの厚み(3.2cm)で六百余ページにもなります。
四十二年前の発行ですが、この年は、東京オリンピックが開催された年、東海道新幹線が営業運転を開始した年、そして、この私が宮仕えを始めた年でもあります。

アマチュア無線局のコールサインの発給では、この頃は、JA1N##の後半からJA1O##の前半だった様に記憶しています。この頃のアマチュア無線界ではAMによる交信が主流で、多くの局がトリオ製の送信機TX-88Aと受信機9R-59を使用していました。

40年ぶりに日の目を見た
TRIOのTX-88A(下)と9R-59(上)
(私物)
電話級アマチュア無線技士の制度が出来てから五年くらい後、この無線従事者の免許の取得が急増していた時代でした。当時のアマチュア無線局局名録によると、その多くが3.5Mcと7Mcあるいは3.5Mcと7Mc、50Mcを無線局免許申請書の指定事項に記していたようです。

この頃になると、アマチュア無線機器のメーカー各社から数多くの魅力的な機能が付加された送信機や通信型受信機が発売されました。なかには完成品と半完成品(キット)の両方が用意され、腕に自信のある人は完成品より廉価なキットを組み立てることに果敢にチャレンジしました。

しかし、全て自分流と言う人も多く、送信機も受信機も、一つ一つ部品を集めての正に手作りでした。そんな時のお手本として、和書ではCQ ham radio、輸入の洋書としてこの「The radio amateur's handbook」は、多くのアマチュア無線家に教科書代わりとして大変重宝がられました。

もちろん、単にハードウェアとしての無線機を作るだけのガイドブックではなく、電子回路の解説、アンテナの理論、電波の伝わり方、電波の測定方法、無線局のレイアウト、混信妨害への対処、無線局の運用方法などなど、アマチュア無線家として知っておくべき諸々が懇切丁寧に解説されています。

それ故、「The radio amateur's handbook」は、その後も何かに付けてページを繰ってみるバイブル的な存在であり続けました。

The radio amateur handbook-41th edition 1964
時を経て紙質はそれなりに変色が見られますが、ページもシッカリと繰れて読むのに不自由はありません。

真空管時代が終わろうとする時期の発行ですが、内容的には日本とアメリカの差は詰まって来たように感じます。目次だけでも紹介しておきますと、

CONTENTS

The Amateur Code
Chapter 1 Amateur Radio
Chapter 2 Electrical Law and Circuits
Chapter 3 Vacuum-Tube Principles
Chapter 4 Semiconductor Devices
Chapter 5 High Frequency Receivers
Chapter 6 High Frequency Transmitters
Chapter 7 Power Supplies
Chapter 8 Keying and Break-In
Chapter 9 Speech Amplifiers and Modulators
Chapter 10 Amplitude Modulation
Chapter 11 Suppressed-Carrier and Singl Sideband Techniques
Chapter 12 Specialized Communication Systems
Chapter 13 Transmission Lines
Chapter 14 Antennas
Chapter 15 Wave Propagation
Chapter 16 VHF Receivers and Transceivers
Chapter 17 VHF Transmitters
Chapter 18 VHF Antennas
Chapter 19 Mobile and portable-Emergency Equipment
Chapter 20 Construction Practices
Chapter 21 Measurements
Chapter 22 Assembling a Station
Chapter 23 Interference With Other Services
Chapter 24 Operating a Station
Chapter 25 Vacuum Tubes and semiconductors

この「The radio amateur's handbook」は、アメリカにおいては、今も昔もアマチュア無線家の座右の書であるのは疑う余地はありません。 しかしながら、日本ではアマチュア無線のニューカマーに是非とも読んで欲しい、あるいは進んで読みたいと思う和書が無いのが実に残念です。できれば、ハードウェアの事は勿論ですが、ソフトウェア的な事についても、もっともっと知って欲しいと私は切に思います。

余談ですが、
昔は、SWLを何年もやって先輩局の一挙手一投足を注意深く見習い、年に二回しかなかったアマチュア無線技士の国家試験に何度か挑戦しました。
艱難辛苦のすえ国家試験に合格して、ようやく免許を授かり、そして無線工学書やCQ ham radio、ラジオ雑誌などを参考に試行錯誤しながらも無線機を製作し理論を実証する過程も経て、アマチュア無線局を開局する長い道のりがありました。

しかし今は、たった二日の講習会を履修することでアマチュア無線技士の免許が貰えて、アマチュア無線局の開局手続きも簡単、高性能な無線機の調達も簡単で、たいへん結構なご時世になりました。
そして準備が整えば、マイク片手に即「ジャパ〜ン アメリカ ナンバーワン・・・」なんて叫びつつ交信相手を捜し、応答があれば「おコエ掛け有り難うございます」、「シグナルレポートはゴトキューです」なんて、もう一人前のアマチュア無線通信士?になれます。

とても安直な時代になったと思いますが、アマチュア無線局を開局するのも簡単、閉局も廃局も簡単で、十年ほど前から毎年毎年アマチュア無線人口が減少していく傾向にあり、何処かに予想外?のボタンの掛け違いがあるのではないでしょうか?

2006年11月2日木曜日

SWRが予想外に良くて逆に困ってしまった

アマチュア無線用のUHFトランシーバーの電波の飛びがイマイチ良くない様に思われ、電波の発射状態をモニターする「SWR/パワー計」の必要性を感じ始めました。

それで、秋葉原のアマチュア無線機器の専門店「ロケット・アマチュアムセン本館」へ行き、144メガ/430メガ帯用で、掌に載るコンパクトなSWR/パワー計(SX27P)を買ってきました。

超短波帯専用のSWR/パワー計
このSWR/パワー計は、送信機から出た電波が効率良くアンテナから放射されているかをモニターする測定器であると同時に、アンテナの長さや間隔、高さなどの諸元を加減してアンテナと送信機との整合(マッチング)をはかる為にも用いられます。

それ故、アマチュア無線局の運用時には必ずこのSWR/パワー計のご厄介になっていると言って過言ではありません。
早速、送信機とアンテナの間に接続して測定してみたところ、意外や意外で測定結果の値がもの凄く良いのにビックリするやら、「そんなはず無い」っと、半信半疑の気持ちでもありました。

簡単に言えば、送信機からアンテナへ出て行く高周波電力と逆にアンテナから戻って来てしまう電力との比で決まる定数があり、これが小さい程、効率良く電波が放射される訳です。

現在使用している430メガのアンテナとしては、ダイアモンドのコリニア「U-200」とアローラインのグランドプレーン「AL-432F2」を使用していますが、どちらのアンテナも予想外の良好な測定結果が出ました。

ダイアモンドのコリニア・アンテナ「U-200」
アローラインのグランドプレーン・アンテナ「AL-432F2」

しかし、これには些か参りました。
電波の飛ばない原因がアンテナの整合(マッチング)が悪いと推測していましたが、この測定結果では問題ない事が分かり別の要因を調べる必要が出てきました。送信電力は人並みの30W程度はあり、後はアンテナの架設場所と高さが災いしている可能性があります。

でも、ハッキリ言ってこの問題の解決が一番難題です。
家の外回りでの作業でご近所と摩擦を起こさないようにする気遣いもしつつ、アンテナの架設位置や高さなどを変える作業があります。東京の住宅密集地区では、アンテナのマッチングと同時進行で、ご近所とのマッチングをとる事はなかなか難しく、直ぐには手が出せない状況です。暫くは様子見でしょうか・・・


コメント(アーカイブ)

始めまして。vhfuhfのswrの調整は比較的簡単に出来ますがhfはなかなかですよ。
小生はhf専門にそれも電信「和文」で出てますがね。
マンション住まいではなかなか難しい所ですけどね。
今後ともよろしくお願いします。
Posted by  gqs at 2006.12.9 23:12:08
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アンテナの整合にはいつも手を焼いています。そのつど、屋外での試行錯誤が必要で、しかも独りでは出来かねる場合もあり骨の折れることです。
私も四十数年前から和文電信をやっています。
かって大学の電気通信学科では、電気通信術いわゆる トンツーの教科があり、三年間の履修の末にプロ一級の単位を取得しました。
卒業後、多くの級友は外洋行路の大型船に無線通信士として乗船していきましたが、私は内地に残り就職しました。
それでも、習ったトンツーはアマチュア無線で役立ちました。
実際には、送信スピードの早い人遅い人、符号に独自のクセのある人などなど、千差万別の符号が飛び交う訳ですが、常に受け手が100%解読できる、正確で適正なスピードで送信するよう心掛けています。
Posted by  BlueMac at 2006.12.10 22:59:58
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2006年10月26日木曜日

巣鴨と言えば、お地蔵さん?いえいえCQ出版社があるところ

巣鴨と言えば「お婆ちゃんの原宿」とまで言われる、高岩寺のとげ抜き地蔵のあるところですが、私には古くから馴染みのある「CQ出版社」があるところです。
過日、用事がありCQ出版社へ行ってきました。JR
山手線巣鴨駅から徒歩五分くらいのところですが、夜はネオンが眩しい土地柄のところを横切るようにして辿り着きます。CQビルは、皆さんが想像するより遙かにこぢんまりした建物で、ややもすると通り過ぎてしまう恐れもあります。

左手前が販売部、右隣がCQ出版社ビル

CQ出版社はアマチュア無線の専門誌である 月刊「CQ ham radio」やエレクトロニクス関連のエンジニアなら一度は手にしたことのある月刊「トランジスタ技術」を二大看板にしている出版社です。

CQ ham radio誌
トランジスタ技術誌
















 
 
 

CQ出版の書籍の直売所
CQビル(トラ技編集部や制作部が居る)
 玄関内には新刊書や主な出版物を展示
上を見上げるとアマチュア無線のアンテナ
三十年来のお付き合いがあるCQ編集部の方に相談事があり、久々出かけました。この春まではCQビルの方に「CQ ham radio」の編集部があったのですが、手狭な為か?ハムフェアの後くらいに、100mほど離れたビルに移転しています。ですから、敷地内の壁にある社名のプレートを見逃すと、この辺は静かな住宅地のため人影も少なく、暫し周辺をウロウロすることになります。
 
少し離れたビルにCQ編集部と経理部が入居
何年か前まではCQ出版社へ来るたびにアマチュア無線の交信証を転送して貰うため、こちらの日本アマチュア無線連盟(JARL)へも寄りました。しかし、最近は年に一度だけ会費を直接納付するため行くくらいしか用事が無くなりました。

近くにある日本アマチュア無線連盟のビル
一階がショールーム

2006年10月20日金曜日

秋葉原駅前に高級?有料トイレ「オアシス@akiba」がオープン

JR秋葉原駅の東側、昨年開店したヨドバシの真正面に地元の千代田区が運営する有料トイレ「オアシス@akiba」がオープンしました。オープニングセレモニーには千代田区長が訪れ、テープカットなどが行なわれたとか・・・
左が無料の喫煙スペース、右が有料のトイレ
ここには係員が常駐し、有料トイレのほか無料の喫煙スペース「SMOKER'S STYLE」やパソコンもある情報案内コーナーが併設されています。
男性用と女性用トイレの利用料は1回100円で硬貨を入れるか電子マネー「Suica」をかざすと、入口の自動ドアが開く仕組みで、小学生以下、身体障害者は無料だそうです。

利用時間は7時から22時までで年中無休。有料ということでトイレは高級感があり、ホテル並みかそれ以上のグレードの高さを維持しているとPRしていますが、そのうち体験?してきたいと思っています。

有料トイレの前にあるヨドバシ・アキバ

2006年10月15日日曜日

何とCQ ham radioのバックナンバーが二万円・・・

久しぶりに神田神保町へ出かけました。
毎年恒例の神田古本まつりは月末のことで、週末でしたが、それほどの人出ではありませんでした。

何時も、都営地下鉄三田線の神保町駅で下車し、神保町交差点へ出て靖国通りを小川町、淡路町の方向へ神田神保町の古書店街を行きつ戻りつします。

今日も同じコースを辿っていたところ、ある古書店の入口に何とCQ ham radioのバックナンバーが山と積まれているのに遭遇しました。

数冊程度が棚にあるのは時々見受けましたが、これほどの冊数がまとまっているのを見たのは初めてです。

近づいて見ると1986年1月号から1993年12月号までの八年分が一年分ずつ束ねられ積まれていました。

思えば、この時期はバブル時期と重なりアマチュア無線人口も右肩上がりの増え方でした。
それに呼応するようにこのCQ ham radioも本文を挟んで広告ページが延々と続き半分以上が広告ページで占められ、現在の二倍もの厚みがありました。

締めて九十六冊で二万円とは・・・買うよりまず、置く場所の心配をする必要がありそうです。

2006年10月11日水曜日

UHFトランシーバーの電波の飛びがイマイチ良くない様に感じていて

電子工作やアマチュア無線をやっている人なら必ず持っている測定器はテスターと相場が決まっています。では、アマチュア無線家がこのテスターの次に買うと思われる測定器は?・・・おそらくSWR/パワー計ではないでしょうか。

このSWR/パワー計は、送信機から出た電波が効率良くアンテナから放射されているかをモニターする測定器です。また、アンテナの長さや間隔、高さなどの諸元を加減してアンテナと送信機との整合をはかる為にも用いられます。
超短波帯専用のSWR/パワー計

それ故、アマチュア無線局の運用時には必ずこのSWR/パワー計のご厄介になっていると言って過言ではありません。

私も、自宅のUHFトランシーバーの電波の飛びがイマイチ良くない様に感じていて、少し前から、このトランシーバー専用にSWR/パワー計の必要性を感じ始めました。

SWR/パワー計は、短波帯から超短波帯までカバーしたモノから、超短波帯に限定したモノまで色々な種類があり、価格的にも大きな開きがあります。

秋葉原のアマチュア無線機器の取扱店「ロケット」へ行き、幾つかを見比べてから、今回は144/430MHz帯用で、掌に載るコンパクトなSWR/パワー計を買いました。予定していたより少し高めで 6,040円でした。

本来なら両端にM型プラグが付いた30cmほどの同軸ケーブルが必要になりますが、送信機に直付けにするためM型プラグが背中合わせになったようなプラグも同時に購入しました。

帰宅して、即座に送信機とアンテナの間に接続して測定してみたところ、意外や意外で・・・

2006年9月27日水曜日

十六年間使い続けたアマチュア無線機TR-851Dが・・・

十六年間使い続けたケンウッド製のアマチュア無線用430メガ・オールモード・トランシーバーTR-851Dが故障してしまいました。
少し前から何となく具合が悪いと感じていたスケルチが、閉じっぱなしなり強い信号しか復調しなくなりました。開きぱなしなら未だ使いようもあったのですが、これでは全くのお手上げ状態です。

ケンウッド
430メガ・オールモード・トランシーバー
TR-851D
このケンウッドの「TR-851D」は、確か1986年の暮れに発表になり購入したのは1990年春の頃で、そろそろ後継機となるTMシリーズが発表になるような頃だったと思います。

その頃は今とは違いアマチュア無線の絶頂期で競合各社から沢山の無線機が発表され、品定めにも迷うような買い手市場でした。
そんな時期だからシングルバンドのオールモード機も出番があったようです。特定のバンドに特化しているためトコトンその性能が発揮出来る下地があり、ユーザも期待を裏切らないマシンに惚れ込んでいた時期でもありました。

さすが、今日ではオールバンド・オールモードの時代で、取りあえず一台買えばソコソコの事が出来てしまう安直さはありますが、使い勝手では必ずしもユーザーフレンドリーとは言い難いモノがあります。

430メガはご存じのように超短波の範疇ですから、電波はほぼ直進するため都市部では高いビルが壁になって進路を遮られ、また、反射して想定外の方向へ飛んで行く事になります。波長の長い短波に比べ電波の到達距離は短い代わりにアンテナの長さは十分の一以下で済むため架設が簡単で、都市部の住宅密集地区でも数メートル単位のアンテナでアマチュア無線が楽しめるメリットもあります。

私の居所も土地柄ですが、長いアンテナを架設する事が難しく、短波の運用も可能ですが、どちらかと言えば超短波のアマチュア無線バンドを使用して交信する事がこの十年は多かった様に思います。

430メガバンドは、今はどちらかと言えばFM主体の交信が多く、高所からは電波がより遠くへ飛ぶため山岳地帯への移動運用や、アンテナが短くて済むため車載の移動局が多いものも短波とは大きな違いと言えます。

移動局の殆どがFMによる運用で、私の「TR-851D」も、そんな目的で製品化されていますが、敢えて私は自宅で固定機として使用しています。私の場合は、交信の多くがCW(電信)とSSBで占められていて、FMの交信のような定型的な俗に言う紋切り型でなく、もっと自由な楽しい会話の出来るところが魅力です。

そんな日常生活の情報端末として不可欠となっている、この「TR-851D」が使えなくなり一時はメーカ修理も考えましたが、発表から二十年、購入からでも十六年も経た今日、果たして修理を受け付けてくれるか思案していました。

それでも、先月でしたが、三十年前のソニー製のラジオは、ソニー本社内にあるサービスセンターへ持ち込んだところ、何とか修理して頂け機能が復活して驚くやら嬉しいやら・・・この事例に倣って、先日、思い切ってケンウッドのサービスセンターへ現物を送り込みました。

さて、どの様な結末になるのか?今は祈る気持ちです。

2006年9月19日火曜日

アマチュア無線のパケット通信でも活躍したエプソン "Word Bank note2"

タイプライターと同じくらいの大きさだったワープロが、デスクワーク中心だった1980年代後半に、エプソンから発売された「Word Bank note2」の登場は衝撃的でした。とにかく持って歩ける、単三乾電池四本で動作する訳です。書院や文豪なんて目じゃない、文書を書く仕事もかなり多かった私には正に打ってつけのマシンでした。

元箱も美品で存在

デスクでの使用はもちろん外出時にはサムソナイトのアタッシュケースにスッポリと収まって、何処へでも一緒に動き回りました。
キーボードもデスクトップPCと殆ど同じサイズでタイピングに違和感もなくスムーズ、辞書は漢字ROMにあるため東海クリエイトのユーカラとは比べようがないほどのスピードで文字変換、正にこれがワープロと身をもって体感しました。

ただし、液晶部分が小さく五行表示で長い文章作成には辛いものがありました。後に発売されたシャープや三洋電機などの液晶ディスプレイを折りたたむ形にしたモノにはかないませんでしたが、A4サイズで1.2kgの小型軽量が評価されモバイルワープロとして認知されました。
EPSON Word Bank note2 (私物)

私は1980年代後半には、アマチュア無線のパケット通信に入れ込んでいて430メガで二台のTNCを用いデジタル通信を行っていました。NECのPC-8801MK2を二台使いパケットを四六時中ワッチしていた時代で、その一台をこの「Word Bank note2」に置き換えてみました。
パソコン通信にも最適化されたこの「Word Bank note2」をRS-232CでTNCに接続すると、スムーズにパケットの送受信が出来てしまい流石っと思わされました。

その後は、「Word Bank note2」のテキストデータをPC-98やPC-88に受け渡すのに、専ら430メガFMの電波を介して送っていました。もちろん、第三者に悟られないように、ローパワーで、アンテナをダミーロードに変え至近距離での通信で実行しました。
テキストデータとしてパソコンが受け取れば、その後はパソコン環境下でのデータの加工が出来るので誰にでも渡せることになりました。

それと前後して、当時としては超小型?のA4専用熱転写型プリンタNECのPC-PR103TLを買い求め、テキストデータをプリントしてファックスしたりコピーしたりして配布していました。人によってはテキストデータとしてフロッピーディスクにセーブして渡すなど、当時としてはハイテク?みないな気分でご満悦な時もありました。

Z80のCPUの能力を極限まで使った、この「Word Bank note2」の最大の弱点は、時として、液晶表示部分に縦方向に一直線に黒いスジが現れることです。
今で言うドット落ちみたいな症状ですが、液晶ガラス部分の上下に貼り付けた(電極が埋め込まれた)ゴム層が熱などにより収縮して一部がガラス面から剥離するようです。時によって三本も四本も黒いスジが発生し表示された文字が判読し辛くなりました。

その度に京王線新宿駅から一つ目の初台駅から近いエプソンサービスステーションへ持ち込みました。数回これを繰り返し、その後は同じ症状が発生してもパーツ交換では直らないと判断し諦めました。

その後も「Word Bank note2」様々の毎日でしたが、一年くらい経ったある日、NECからCPUにV30を使った初のノートパソコンPC-9801Nが発表され、ワタシ的にはワープロ時代の終わりを何となく予感しました。

NEC PC-9801NS (私物)と大きさの比較
このPC-9801Nを横目に見ながら、更に一年が過ぎた頃、CPUを386SXに載せ替えた32bitのNECのノートパソコンPC-9801NSが発表され、ついに、「Word Bank note2」との二年間の蜜月は呆気ない幕切れとなってしまいました。

それから十五年ほど、つい最近になって、その存在すら忘れかけていた「Word Bank note2」が、部屋のリフォーム時に発掘?され、予期せぬ再会を果たしました。

保存状態も良く美品でした。
早速ACアダプタを繋ぎスイッチONしてみましたが、往時と変わることないオープニング画面が現れ、キーボードからのコマンドにも正確に応答していて、直ぐに使える状態にあるようです。

ICカード(32kBメモリーカード) (私物)
単三乾電池を四本入れメモリーバックアップ用のリチウム電池CR2032も交換してみましたが、パーフェクトで動作しているようです。
しかしながら、今さらパソコン通信でも無く、モバイルワープロでも無し。
テキスト作成なら何とか行けそうですが、専用のICカードも今となってはどのハードウェアとも互換性がありません。どなたか、MacOSX か MacOS9のマッキントッシュへ簡単にテキストデータを移動する妙案があればアドバイスをお願いします。

2006年9月18日月曜日

アマチュア無線家のバイブル「The radio amateur's handbook」1939年版

私のお宝のヒトツ、米国アマチュア無線連盟(ARRL)が1939年に発行したアマチュア無線家のバイブルとでも言うべき「The radio amateur's handbook」です。サブタイトルは、THE STANDARD MANUAL OF AMATEUR RADIO COMMUNICATIONとあります。

いわゆるレターサイズより幅が狭くアメリカの書籍には珍しくスリムで分厚く456ページにもなります。六十六年前の出版ですが、時を経て紙質はそれなりに変色が見られますが、ページもシッカリと繰れて読むのに不自由はありません。

The radio amateur handbook-Fifteenth edition
第二次大戦の直前に発行されていて、米国の当時の技術レベルの高さが窺い知れます。
目次を紹介しておきますと、

CONTENTS

HIRAM PERCY MAXIM MEMORIAL STATION, W1AW
THE AMATEUR HIS CODE OF ETHICS

INTORODUCTION

Chapter 1 STORY OF AMATEUR RADIO
Chapter 2 GETTING STARED

PRINCPLES AND DESIGN

Chapter 3 ELECTRICAL RADIO FUNDAMENTALS
Chapter 4 RECEPTION OF RADIO SIGNALS
Chapter 5 RADIO TRANSMISSION
Chapter 6 MODULATION

CONSTRUCTION ANDO ADJUSTMENT

Chapter 7 WORKSHOP PRACTICE
Chapter 8 CONSTRUCTION OFU RECEIVERS
Chapter 9 TUNING ANDO ADJUSTING RECEIVERS
Chapter 10 CONSTRUCTION OF TRANSMITTERS
Chapter 11 POWER SUPPLY
Chapter 12 MODULATION EQUIPMENT
Chapter 13 COMPLETE TRANSMITTERS
Chapter 14 TRANSMITTER ADJUSTMENT
Chapter 15 KEYING AND B.C.I. ELIMINATION
Chapter 16 ADJUSTMENT OF PHONE TRANSMITTERS
Chapter 17 MEASUREMENTS AND MEASURING EQUIPMENT
Chapter 18 EMERGENCY AND PORTABLE
Chapter 19 STATION ASSEMBLY
Chapter 20 TUBE CHARACTERISTICS AND MISCELLANEOUS DATA

ANTENNAS

Chapter 21 ANTENNA FUNDAMENTALS
Chapter 22 R.F. TRANSMISSION LINES
Chapter 23 LONG-WIRE ANTENNAS
Chapter 24 MULTI-ELEMENT DIRECTIVE SYSTEMS
Chapter 25 ANTENNA CONSTRUCTION

ULTRA-HIGH FREQUENCIES

Chapter 26 INTRODUCTION T U.H.F.
Chapter 27 RECEIVING EQUIPMENT FOR 28 AND 56MC
Chapter 28 28 AND 56MC TRANSMITTERS
Chapter 29 ANTENNAS FOR THE U.H.F.
Chapter 30 112MC AND HIGHER

OPERATING AND TRAFFIC HANDLING

Chapter 31 OPERATING THE STATION
Chapter 32 REGULATIONS AND DATA
INDEX

勿論、これは私の出生以前に発行されたのモノで、後年になって古書として入手しました。

この「The radio amateur's handbook」は、今も昔もアマチュア無線家の座右の書であるのは疑いがありません。 電子工学の基礎、電子回路、送信機と受信機の技術、電波伝播や空中線などの項目からアマチュア局の運用についてまで、非常に詳しく述べられています。 単なる電子工学の理論書ではなくアマチュア無線家の立場から書かれており、アマチュア無線技術の集大成といえるでしょう。

しかしながら、いま現在これに匹敵する、アマチュア無線のニューカマーに是非とも読んで欲しいと思う和書が無いのは残念です。誰もがバイブルにするような入門ガイドらしきものも無く、各々がやりたい放題?昔に比べハムワールドの荒廃ぶりを嘆くのは私だけか?

近頃、交信時に「お肥え掛け・・」って言われたり、「カンジ界尺は・・」とか「貴局の返諜は濃いです・・」なんて言われたりすると、ワタシ的にはムカっと来ますね、何だそれっ・・・。

昔は、SWLを何年もやって先輩局の一挙手一投足を注意深く見習い、無線工学書やCQ ham radio、ラジオ雑誌を参考に試行錯誤しながらも無線機を製作して理論を実証する過程も経て開局していました。

それが今は、金さえあれば免許の取得は簡単、無線機の調達も簡単、開局の手続きも簡単で、何とも結構な時代ですが、ソフトウェア的な事が丸でなってない・・・即席のアマチュア無線通信士?だからでしょうか?
取りあえず、いま交信中の局の喋り方を丸ごとコピーし、間違いがあったとしても、孫引きのごとく、そのまま受け売りで次へ伝承してしまっています。

この連鎖は何処かで断ち切る必要があるとワタシは思いますが・・・陰で「コピーです・・」なんて言われそうですが、通信用語では、プロもアマも「了解」って言うのが正しい。

なお、「The radio amateur's handbook」はCD版とBook版があります。 読みやすいのはBook版、CD版は場所を取らないので便利です。日本で購入するにはJARLとか大型書店でも取り扱っているようです。ARRLのHPにアクセスして直接購入することもできるようです。

2006年7月30日日曜日

未使用の1200メガ用10素子ループアンテナが

物置の整理の途中でアンテナが出てきました、アマチュア無線用1200メガ用の10素子ループアンテナです。

短波帯のアンテナ、例えば七メガの八木アンテナを作るとなると、本格的には半波長の20メートルの長さになり、なかなか自作も大変です。その点で言えば超短波帯は波長が短い分だけ工作も比較的簡単の様に思われます。

1200メガ用の10素子ループアンテナ
1200メガであれば波長は25cmですから半波長で12.5cmと何だか扱い易いサイズに思えます。ただし、アンテナとなれば製作にはそれなりのノウハウがあり、言うほどに易しくはないと思われますが・・・


画像にあるループアンテナは十年くらい前にハムフェアで購入しました。
神奈川県川崎市にあるマキ電機の物です。
マキはUHF用のアンテナに力を入れていて、色々な形状のアンテナを製造販売しています。私もこの当時、老朽化?したケンウッド製の1200メガFMトランシーバーTR-50にダイアモンドのコリニア アンテナ U-200で時々オンエアーしていました。


1200メガに出始めたのは1985年頃で、当時は東京でも1200メガは相手がなかなか見つからず専らレピーターに頼るしかない時代でした。故に、シンプレックスでの交信などローカルに親しい局が存在しない限りご縁がありませんでした。

コネクタはN型
そこでこのアンテナを使えば少しは遠くへ電波を飛ばせると思い、ハムフェア特価?3000円位で買ってきました。しかし、アンテナを架設する場所とかローテーターなどの設置とか、新たな検討事項も増えて、そのうちそのうちと先送りして結局使わずじまいで今日に至っています。

最近の都内のアクティブ状況は把握していませんが、アマチュア無線機器各社のカタログを見ても1200メガにはあまり力を入れていない様子に、その昔とそれほど実体は変わっていない様な気がしています。しかし、これは私のお宝(ガラクタ)なので、埃を払い記念撮影?だけしておきました。復活の時が来るのか?今のところ不明です。

全長約60cm、重量約400g、アルミ材
なお、同軸ケーブルはダイアモンドのコリニア アンテナ U-200で使用していたもの。
UHF帯に於いて低損失の10D-SFAタイプ、心線は二重シールドになっていて、とても固く、画像では直径約50cmで巻いて束ねてあり、これ以上 細めに巻くことはかなり困難です。
それ故、室内への引き込みや室内の引き回しには最低半径25cm位のカーブが必要で、特に無線機の背面への引き回しにスペースを広めに確保する必要があります。長さは 50cm x 3.14 x 7回 = 十メートル 位です。

2006年7月19日水曜日

元箱の表示とは全く違う無線通信機が入っていて、しかも、ケース無しの製作途中の姿でした

段ボール箱は下の部分が粘着テープで補強してあり、上面は平らでなく少し盛り上がっている様に見えました。
「SM-5」の段ボール箱
側面に印刷された「SM-5 PRE-SELECTOR CONVERTER」が入っている様には思えない雰囲気でした。少々戸惑いつつ、綴じ糸を解き、内装段ボールの上を開いてみて予感が的中しました。

亜鉛メッキの金属シャーシーに組み立てられた裸のセットが見えました。内装段ボールを一気に引き出すと、正に製作中とでも言った方がいい様な工作物です。大きさがほぼ「SM-5」のサイズに近く、この段ボール箱に上手い具合に収まっていたようです。

これでは、ご覧頂いた方には中途半端な終わり方になってしまう恐れもあり、更にデジカメで撮ったスナップショットを加えてプロフィールが良く分かるようにしてみました。

「SM-5」ではない半完成品のセット
シンプルな筐体設計で、小型軽量の扱い易さ、ご覧の様に組立が終わり、これからCRやリード線の配線を始めようとしていた物の様に見受けられます。

菅野の電源トランス、エルナーの電解コンデンサ、松下電器の三連バリコン、アルプスのロータリースイッチ、ミツミの真空管ソケットなどなど、真空管時代を共にした方々ならお分かり頂けるパーツで仕上がっています。

真空管は四本で、うち一本は定電圧放電管、残りの三本は高周波用の球の様にシャーシーに刻印された品番から読みとれます。バリコンに寄り添うようにあるのが、タイトボビンにエナメル線を巻いたコイル。

こんなパーツ構成のこの工作物は何なのか?ここでは敢えてお知らせしませんが、皆さんそれぞれのご想像にお任せします。