ソニービル建替前のカウントダウンイベント「It's a Sony展」である。
「銀座ソニーパーク」オープンに向け、創業から70年間の歴代製品を展示すると共に、ソニービルの50年を振り返る展示となっている。
ニュースリリースによれば、
創業70周年を迎えた今年、ソニーは新たな時代への挑戦を象徴する取り組みとして、ソニービルを大規模にリニューアルする事業計画「銀座ソニーパークプロジェクト」に着手した。
このプロジェクトでは、ソニービルの現在の敷地を2018年夏から2020年秋の間は「銀座ソニーパーク」として広く開放し、その後2022年までに新しいソニービルを建設、新たに開業する予定。これに伴い、ソニービルは、2017年3月31日(金)をもって営業が一旦終了となり、建て替えに向けた工事が開始される。
この一時閉館に先立ち、ソニービルが歩んだ50年の歴史および今後の進化について、歴代のソニー商品とともにご紹介するカウントダウンイベント「It's a Sony展」を開催中だ。
全138日間にわたって展開される「It's a Sony展」は、前半と後半の2部に分かれている。
2016年11月12日(土)から2017年2月12日(日)までの前半は、「歴史」をテーマに、日本初のトランジスタラジオ TR-55 や初代ウォークマン TPS-L2、エンターテインメントロボット AIBO など、ソニーが世界に驚きをもたらしてきた商品の数々を、当時の広告などとともに展示している。
展示フロアでは、我が家でも使っていた製品がアチコチに見られ、往時の生活が思い出された。
そんな中に、小型カラーテレビの「CITATION」も展示されていた。
我が家でも、それを、1979年以来ずーっと使い続けて来たが、地デジ化を数年後に控えた2007年、漸く液晶テレビに買い替えた。
「CITATION」 KV-1375D |
三十年弱、いつも家族と一緒にあった、いま風に言う情報機器だった。
1980年頃、ソニーのカラーテレビシリーズは「CITATION」と呼ばれ、同時期にソニーは小型ジェット機「CITATION」のビジネスを始めたこともあってのネーミングだったと記憶している。
当時は、俗に言う「AV」などと言う概念が無い時代で、テレビはお茶の間で家族が一緒に視聴する家電製品だった。
しかし、テレビは家族の共有財産的な概念から、一人一台のコンセプトを具現化しようとしていた時代でもあった。我が家の CITATION KV-1375Dは 13型。上部にシッカリと握れるハンドルが付き、更にそれに沿わせるようにロッドアンテナがあり、部屋の何処へでも移動し好きなスタイルでテレビを視ることが出来る仕組みだった。
いま思えば当時の13型にしては価格も高めの99,800円だったが、ソニーならではのコンセプトが受け入れられ、この KV-1375Dは「CITATION」シリーズの中核的な存在だった。
選局は「ジェットセンサー」とか言う、ソニーならではのプッシュスイッチよる切替で、その当時、一般的だったロータリー選局に無いスピーディーさもあり、何となくカッコ良い雰囲気があった。
しかし、それが後年になって仇となり、実は電子選局のプリント基板に問題があり、我が家では毎年梅雨時にはスイッチONで、まずモノクロ画像が現れ、内部が暖まる十五分ほどでカラー画像に切り替わる現象を経験した。
ソニーに聞いたところ基板ごと交換すれば改善されるが、既に製造中止から十数年経っていて交換パーツもないと言われた。
専用リモコンも無い時代のモノだったが、それほど不便にも思わずに居たが、さすが地デジの時代に13型とは言えバカでかく、画質も地デジを視てしまうと何ともボケボケの画像に損をした気分にもなった。
部屋のレイアウトを思いっきり変えたこともあり、遂に居場所を失い引退させることに決心したが、今にして思えば、たった十年前の事である、
この十年のテレビ進化は留まることを知らず、4Kとか 8Kの実用化も見えてきて、技術の進歩には驚くべきものがあるように実感した。
「It's a Sony展」の今後だが、
2017年2月17日(金)から2017年3月31日(金)までの後半は、「未来」をテーマに、2018年夏にオープン予定の「銀座ソニーパーク」の様子を先取りしたインスタレーションを展示予定とか。
「It's a Sony展」を通じて、これまでソニービルをご愛顧いただいた全てのお客様、そして50年間共に歩んできた銀座のコミュニティへの感謝、「銀座ソニーパークプロジェクト」の今後の姿についてお伝えしてまいります・・・とソニーは結んでいる。